漁業・養殖業の経営の状況(令和元年度水産白書より)
本日は、水産庁のまとめている、「水産白書」から「漁業・養殖業の経営の状況」について紹介します。
以下、特記した場合以外、引用は「令和元年度水産白書」から、図はそちらからのキャプチャー画像です。
今日は、漁業は儲かるのか、という話です。
昨日のnoteでは、漁業者が減っている、というデータがありましたが、所得に関しては65歳未満では横ばいかやや減少傾向にあります。収入(売上?)はそこそこありますが、支出が大きく、事業所得としては、大体300万円弱となっています。
65歳以上では、事業所得として200万円弱となっており、年金をもらいながら、少ない所得でもなんとかやりくりされているのではないかと想像できます。
平均がこういう状況ですので、子供に継がせたくない、という声も理解できますね。
一方、海面養殖は結構儲かる感じです。また、最近は事業所得も増加傾向にあります。
気候変動に左右される沿岸漁業よりも、養殖のほうが安定して経営できる。今後もその傾向は強まっていきそうです。
漁船漁業の会社の経営状況です。
働く人の給与等を支給した後の「営業利益」ベースでここのところ黒字傾向にあります。加工等の付加価値の高い業務が少しずつ増えていることも影響しているようです。
生産性の推移です。
漁業と養殖業の合算なので、比較的良い状況の養殖業の影響と、水産物の価格上昇により、一人当たりの生産額、漁業所得はこの10数年上昇傾向にあります。漁業者が減った分、「残り福」になるといいですね。
沖合底引き網の漁船1隻あたりの漁獲量は、スケトウダラやホッケ、スルメイカの不漁により減少傾向にあります。
小型定置網漁業に関しては、平均漁獲量は減少していますが、取り組む漁業体が減っているので1経営体あたりの漁獲量は増えています。
産業別の法人企業の労働生産性です。
この10年以上、漁業の労働生産性は、他産業よりも高いことがわかります。
水産物の価格高騰がきちんと還元されているようです。
一人当たりの付加価値額も増加傾向にあります。
農業や他産業よりも、養殖等やり方によっては儲かる産業といえそうです。
先日の「ガッチリマンデー」でもトラウトの陸上養殖が取り上げられていました。これは三井物産が出資した企業で行っていました。
おいしい、安心、安全、消費地の近く等の要素がうまく設計できれば、これからも成長できる分野といえそうです。
もともと水産物加工品は、生鮮で消費できないものを保存するために生まれたものです。塩干物から始まり、つくだ煮や練製品もすべてその要素があります。たくさん獲れて、安い価格の原料を加工できるという時代が戻ることはあまりなさそうですが、変化に対応していくしかありませんね。
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