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「いかなごのくぎ煮発祥の地」石碑建立・いかなご漁と駒林神社〜いかなごの「くぎ煮」その15〜

2013年(平成25年)8月、神戸商工会議所西神戸支部で開催される「長田活性化研究会」の暑気払いがありました。
そこでご一緒した地元駒林神社(こまがばやしじんじゃ)の禰宜(当時、現在は宮司)の中山直紀さんと二人で二次会に。
そこでかなりお酒を飲んで楽しい時間を過ごしました。

翌日、中山さんから電話がありました。
「昨日の石碑の件で、宮司(当時・中山さんのお父上)が話したいと言ってるので、神社まで来てくれませんか」
とのことでした。

そんな話をしたような、していないような(笑)。
記憶はあまり、いや全くない(汗)のですが、いつもの「くぎ煮発祥の地」の石碑を長田港に建てるべきだ、という持論を語ったに違いありません。

「もちろん伺います!!」

で、駒林神社で、打ち合わせをすることに。
中山松比古宮司と、神戸市漁業協同組合の副理事長で駒ヶ林漁業会会長の尻池巌さん、駒ヶ林まちづくり協議会の浦井清五会長(全て役職は当時)と話し合いをさせていただきました。

震災で倒壊した駒林神社の大鳥居を現在再建しているところなので、その工事と合わせて鳥居の前に石碑を建てることとなりました。
「伍魚福の宣伝では困る」
ということでしたが、こちらは最初からそんなつもりはありません。
名義はもちろん「いかなごのくぎ煮振興協会」です。

石碑の費用は、振興協会として伍魚福が負担、石碑の説明板は、鳥居再建の寄付者の表示も兼ねているため、振興協会と地元の皆さんで折半することに。
同年9月、着工。

10月2日に完成、序幕式が行われました。

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数年来の念願だった、長田港近くに「いかなごのくぎ煮発祥の地」の石碑建立がついに実現し、とてもうれしかったです。

石碑の前のプレートには、次のように記載されています。

~いかなごのくぎ煮発祥の地~
いかなご漁は一千年以上前から駒ヶ林で行われている。
かつてこの碑のある地点までが砂浜であったころ、この砂浜では左義長祭が行われていた。東西がそれぞれのお山を上げ、神社から出た行司のお山の前にて倒しあいをし、勝った方が網入れの優先権を得る。そして底引き網にていかなご漁が行われた。
左義長の始まりは平安時代の永延二年(九八八)と伝わっており、遅くともその頃にはいかなご漁が始まっていたことが伺える。底引きで捕られるいかなごは成魚となったフルセである。平安時代、駒ヶ林には玄蕃寮(現在の税関にあたる)の出先機関があり、大陸との外交の要所であった。そのことから当時は希少な砂糖がすでに出回っていたと思われる。そしていつしかこの地ではいかなごを砂糖と醤油、生姜で炊いて食し始めた。
いかなごのくぎ煮振興協会はこれらの歴史を示すべく浜に面した此の地に石碑を建てた。

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駒ヶ林の海岸は昔砂浜だったそうです。
そこで「左義長」が行われていたのですが、埋め立てられたことにより1959年(昭和34年)に開催されたのが最後となったそうです。

また、尻池さんからは、漁業者ならではの昔話も教えていただきました。

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長田では昔「底引き網」でいかなご漁をしていたので、深いところで泳いでいる「ふるせ」を獲っていた。

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垂水では「こませ網」だったので、「シンコ」をとっていた。

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これは、以前お会いした「くぎ煮伝道師」友光さんのおっしゃっていたことと符合します。

現在は、長田も垂水も「パッチ網」(船曳網)で鮮度の良いいかなごのシンコをとるようになっています。

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今まで、「いかなごのくぎ煮コンテスト」も伍魚福が商売のためにやっているんだろう、という色眼鏡で見られることが多かったのですが、その誤解も解け、その翌年から地元の皆さんが開催する「いかなごウォークラリー」に協賛させていただくことになり、同じ日に「いかなごのくぎ煮コンテスト」を開催する、という流れができました。

地域の一員として認められた、という感じがしてとてもうれしかったです。
駒林神社さんには、「いかなごのくぎ煮振興協会」の第2号会員になっていただきました。
今後も地元の皆さんとともに、「いかなごのくぎ煮」振興のために努力を続けたいと考えています。
ご縁に感謝です。


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