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雇用人員の過不足・働きやすさと離職率等の関係(令和元年版「労働経済の分析」より)

本日は、雇用人員の過不足・働きやすさと離職率等の関係について紹介します。
以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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2 企業の取組が離職率等に与える影響
●働きやすい職場環境は、労働者が定着しやすく充足もしやすい

前節において、労働者は、働きやすさの向上のために、職場の人間関係などの円滑化、有給休暇の取得促進や労働時間の短縮などが重要であると考えていることを確認した。また、本節では、雇用管理やワーク・ライフ・バランスを推進する企業レベルの取組が、従業員の働きやすさに影響していることを確認した。
ここでは、このような働きやすさの向上に資する企業の取組が、従業員の離職率、新入社員の定着率、求人募集の充足率の改善などを通じて、人手不足の緩和に資する可能性について考察する。
まず、人手不足の職場環境への影響についてみてみる。前節では労働者の意識について考察したが、ここでは、企業側の認識について考察する。
企業側の考える人手不足が職場環境に及ぼす影響については、第1章の第2-(1)-20図でみたとおり、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」「能力開発機会の減少」「離職者の増加」「従業員の働きがいや意欲の低下」が多くなっている。
次に、企業側の人手不足感と従業員の離職率、新入社員の定着率、求人募集の充足率との関係をみてみる。

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第2-(2)-17図により、企業の現在の雇用人員の過不足感と直近3年間における従業員の離職率、新入社員の定着率、求人募集の充足率の変化の関係をみると、雇用人員が適当な企業においては、離職率は改善(低下)している企業が多く、新入社員の定着率は入社後3年と入社後7年のいずれにおいても改善(上昇)している企業が多い。求人募集の充足率は、人手不足の影響もあり、悪化(低下)している企業が多い。他方、雇用人員が不足している企業においては、離職率及び定着率は悪化している企業数と改善している企業数に大きな差がなくなり、充足率は悪化している企業が極めて多くなっている。

続いて、第2-(2)-18図により、正社員の感じる「働きやすさ」と企業における従業員の離職率、新入社員の定着率及び求人募集の充足率の関係をみてみる。

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従業員の離職率は、働きやすいと感じている者の所属企業の方が働きにくいと感じている者の所属企業よりも悪化が抑えられている。新入社員の定着率は、入社後3年と入社後7年のいずれにおいても、働きやすいと感じている者の所属企業の方が働きにくいと感じている者の所属企業よりも改善している。求人募集の充足率は、人手不足の影響もあり、働きやすいと感じている者の所属企業でも働きにくいと感じている者の所属企業でも悪化している企業が多いが、働きやすいと感じている者の所属企業の方が充足率の悪化が抑えられている。
これらのことから、社員が働きやすい企業は、社員が働きにくい企業よりも人材を確保しやすい環境にある可能性が示唆される。

次に、前節で働きやすさとの関係が深いことを確認した「労働時間」「休日・休暇」「職場でのコミュニケーション」について、これらに対する労働者の満足度が就業継続に与える影響をみてみる。

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第2-(2)-19図により、労働時間、休日・休暇、職場でのコミュニケーションに対する満足度が就業継続に与える影響をみると、労働時間、休日・休暇や職場でのコミュニケーションに満足している労働者の方が不満をもっている労働者に比べて同一企業での就業継続を望む割合が高く、転職を希望する割合が低くなっていることが分かる。
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雇用人員が適当な企業においては、離職率・定着率は改善している企業が多いが、求人募集の充足率は、人手不足の影響もあり、悪化している企業が多い。

雇用人員が不足している企業においては、離職率及び定着率は悪化している企業と改善している企業に大きな差がなくなり、充足率は悪化している企業が極めて多くなっている。

働きやすいと感じている者の所属企業は、働きにくいと感じている者の所属企業に比べて、従業員の離職率は悪化が抑えられており、新入社員の定着率は改善している。
求人募集の充足率は、人手不足の影響もあり、働きやすいと感じている者の所属企業でも働きにくいと感じている者の所属企業でも悪化している企業が多いが、働きやすいと感じている者の所属企業の方が充足率の悪化が抑えられている。

労働時間、休日・休暇や職場でのコミュニケーションに対して満足している労働者の方が同一企業での就業継続を望む比率が高く、転職を希望する比率が低くなっている。

コロナによって、状況は変わってきていますが、概ね当たり前の結果が出ていると言えそうです。
雇用人員に余裕があり、働きやすい会社づくりをすることで、離職率、定着率にも良い影響が出てきます。
伍魚福でも引き続き改善に取り組んでいきたいと思います。

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山中勧/伍魚福社長
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan