いかなごのくぎ煮文学賞〜いかなごの「くぎ煮」その11〜
2012年(平成24年)2月。
神戸ながたTMOさんとの打ち合わせを行った結果、その年の「いかなごのくぎ煮コンテスト」が第10回記念大会なので、表彰式をJR新長田駅近くの鉄人28号のモニュメントが建っている「鉄人広場」でやろう、ということになりました。
鉄人広場ではダンスか何か他のイベントもあり、立派なステージが設営されることになっていました。
その時間帯の一部を使って表彰式をすることになったのです。
イベントを管理・運営している、神戸鉄人プロジェクトの岡田誠司事務局長とその打ち合わせを行いました。
そこでの話し合いの中でもっとくぎ煮について盛り上がる記念イベントができればいいね、という話になり、くぎ煮をテーマにした「作文コンテスト」のアイデアを岡田さんからいただきました。
岡田さんからはヒット映画をもじって「長田の中心でくぎ煮を叫ぶ!」というタイトルでどうか、という話になったのですが、ちょっとパチモンくさい感じになるのでお断りし(笑)タイトルは変えることに。
他のイベントで、賞金をそれなりに設定すると、作文が結構集まった、という事例も教えていただきましたが、本体の「くぎ煮コンテスト」自体の商品もそれほど高額でないため、それより高く設定するとバランスがおかしくなります。
そこで、作文だけに限定して応募が少なかったらかっこ悪いので、ハードルを下げるために、俳句や川柳、短歌、詩など創作のジャンルは問わない形にすることに。
文学全般、ということなら「文学賞」だ、ということで「いかなごのくぎ煮文学賞」に。
ちょっと大げさで半分冗談のつもりでしたが、本当にその名称で実行することになりました。
くぎ煮文学賞の告知の仕方や、ウェブサイトへの掲載等をするために他の「文学賞」をベンチマークし、社内で検討していたのですが、
「社長、文学賞を名乗る以上、作家の先生に審査員をしてもらう必要があるのでは」という意見が。
「確かにそうだ」
ということで、ご縁のあった作家で俳人の三田完(みたかん)先生におそるおそるメッセージを送りました。
三田先生は、直木賞の候補にもなったこともある方で伍魚福の「ピリ辛さきいか天」からのご縁です(これは別にnote書きます)。
「三田さん
ご意見を伺いたく、長文失礼致します。
神戸の地域の食文化である「いかなごのくぎ煮」を守り育てるべく、9年前から「いかなごのくぎ煮コンテスト」を毎年開催し、今年で第10回目を迎えます。
10回目の特別企画として「第1回いかなごのくぎ煮文学賞」というのを開催することになりまして、作文、エッセー、俳句、短歌、川柳、詩など形式を問わず優勝賞金2万円+伍魚福の珍味セット5,000円分ということで作品を募集する事になりました。
私が審査委員長?なのですが、例えば特別審査員として三田さんのお名前をお借りするとかできないかと社員が申しております。
社会貢献イベントでして、お礼と言っても伍魚福の珍味セット位の話なので誠に恐縮なのですが、そういうことは考えられますでしょうか?」
(2012年2月15日のFacebookメッセンジャーからそのまま引用)
すると三田先生から
「喜こんで」
との返事が。
大変ありがたいことで、大喜びで準備して、チラシを作成したり、ウェブ告知を行ったり。
「いかなごのくぎ煮文学賞」はこうした経緯で始まったのです。
当時の告知時のブログ記事です。
プレスリリースを発行して、神戸経済記者クラブで「記者会見」も実施。
神戸新聞に掲載いただいたこともあり、順調に作品も集まりました。
週刊新潮にはたぶん「あほちゃうか」と思われたようで「B級ニュース」として取り上げていただきました(笑)。
こちらは全国の方に読んでいただけたはず。
応募資格はただひとつ「くぎ煮に思い入れのある人」。
それなりのパブリシティにも乗ったせいか、応募は36都道府県から1031作品!
まさかそんなに集まるとは思っていませんでしたので、必死の思いで一次審査を行い、ある程度絞り込んで三田先生に送付。
そして各部門の入賞作品を決めさせていただきました。
作品数も多かったので、三田先生にも少額ですがきちんと謝礼をさせていただくことに(でもボランティア価格。ありがとうございます)。
2012年3月20日、表彰式を開催しました。
こちらの記事がその様子です。
表彰対象の方もたくさんお見えいただき、とても楽しい表彰式となったのを思い出します。
詩部門の特選に選ばれた歌!「Spring has Come」(神戸ミュージックサロンさん)は、実際に演奏いただきました。
その後タイトルは「Spike」に変更され、YouTubeでご覧いただくことができます。
応募時の作品がこちら。
バンドバージョンはこちら。
第1回の入賞作品はこちらをご覧ください。
みなさんの「熱い思い」を感じることができます。
審査の過程を通じて、その思いが私にも注入され、このようなたくさんの方の思い入れの強い地域の食文化「くぎ煮」を仕事として取り扱わせていただいていることに感謝するとともに、商標を預からせていただいているという責任をますます感じるようになりました。
続きは明日のnoteに。