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休息
どうもマジでこいつのことが見えてるのは俺だけらしい。
ま、血だらけでガキ連れてるより血だらけで一人の方が怪しまれないかもしれねぇが。
「ひとまずは汝の住処に邪魔することとしよう。」
「マジでボロいアパートだが。」
「あぱあと。……よくわからぬが寝るところさえあれば十分だ。」
あー……どうだろ。最近掃除サボってたからなぁ。
内心思いながら金属製の階段を上がる。
「よーこそ、四畳半のぼろアパートへ。」
「……汝。」
「んだよ。」
「清めよ。この空間はヒトの身に毒だ。」
「文句あんのか。」
「汝のことを思ってのことだ。我はどうであれ構わぬが。」
「……へいへい、仰せのままにってね。」
親みてぇなこと言いやがって、ちびのくせに。
……そういやこいつって飯食うのか?
「あー、そこのお前。」
「名がないというのは不便よの。なんだ?」
「飯くう?」
「食事か。良いだろう。」
いちいち微妙に上からだなこいつ。
「だが、汝、その服はなんとかならぬのか?」
「んだよ文句あんのか?」
「同じ服ばかりではないか。飽きぬのか。」
「服なんて着てりゃいーだろーがよ。」
注文の多いカミサマだな、ったくよぉ。
……米一人分しかねぇけどチャーハン作っちまったな。
まぁ、いい。俺はパンでも食う。
「おら、食え。」
「……汝は食べぬのか?」
「さっき食った。寝る。」
まだ昼だが、眠いもんは眠い。
「ああ、そうだ。」
「ンだよまだなんかあんのか?」
「ちゃーはんと言ったか。美味だ。」
「……そーかよ。」