yama娘

yama娘です。 不定期に書いたり書かなかったりします。 どうぞよしなに。 pixivやTwitter、タイッツーに出没することが多いです。

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マガジン

  • "偽"跡

    シリーズ

  • おすすめコーナー

    私が勝手に書いているおすすめコーナー一覧です

  • 『或る女の回顧録』

    『或る女の回顧録』のシリーズをまとめたものです。

  • 『それ』

    『それ』シリーズをまとめたものです。

最近の記事

偽/真 奇跡

「起きよ、男よ。まだ、その時には非ず。」 「……あ?」 目が、さめた? 親父が最期に正気になったところまでは覚えてるが、それから……何があって俺はぶっ倒れてたんだ? 「あまり我を驚かせるでない。」 「……なんか、デカくなったか?」 「これが我の本来の姿だ。」 俺よりは若干小さいが、それでも十分デカい。 あん時のガキンチョとは思えねぇほどだ。 「……どこまで覚えている?」 「親父の声が聞こえたところまでだが。」 「そうか。なら、それでいいのだろう。」 「何がだよ。」 「もう、

    • 対峙/退治

      「よぉ、また来てやったぜ。」 流石の信者も驚いたらしい。 そりゃあ、なぁ。 ほぼ致命傷だった俺が、当然の如くいるわけだから。 「貴方は」 「拒まねぇンだろ?おら、さっさと案内しろよ。」 「信じがたいですが、慈悲深き唯一なる主神もそれをお望みです。」 だろうなァ。 これは、ヤツにとってもチャンスだ。 「大丈夫か。」 「その台詞、そのまま返してやるよ。」 まさかこいつまでついてくるとはおもわなんだが。 「行くのだろう?ならば、我も行く。」 「正気か?ヤツはお前も狙ってんだろ?」

      • ある男の覚悟

        「一つ、昔話をしよう。」 突然、そんな事を言われた。 「んだよ突然だな。」 「明日、汝が一度負けたあの偽神に挑む。その前に、しておかねばならぬ話だ。」 「あの日、真に死すべきは汝であった。」 「……は?」 「汝の7つの誕生日。その日に、汝は奴らに殺された。そして全ての人類が『我』を認識しなくなり、『我』もまた死んだ。」 「んだよ、それ」 声が震えてやがる。 俺ァ死んでねぇが、と、脳内の冷静な俺が呟いた。 「汝の父は、巫覡だった。偽神が蔓延るこの世界で、ただ一人、正しい祀り

        • 急転直下

          「今回は無より産まれたモノだ。」 化け狸の一件の次の日、ヤツは言った。 「ところで意味あんのか?この前のはただの無関係な狸だったみてぇだけど。」 「ああ。我が触れて壊した鎖があっただろう。」 「あった。」 「あれはより高位の偽神の力で編まれた物だ。」 マジかよ。 「にしても、無から産まれた信仰ねぇ。」 「自然を神とみて信仰するのだ、そこに何もなくとも信仰されれば神となろう。」 「そういうもんなのか?」 「……問題は、奉り方を知らぬ者がやると偽神となることだ。」 「ただの化け

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        • "偽"跡
          9本
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        記事

          初仕事

          しばらくして、やつは一枚のパンフレットをよこした。 「一口に偽神といえど、素性は様々だ。無より産まれたモノもあらば、何かに願われたモノもある。」 「で、今回のはどっちだ。」 「後者だ。小手調べにちょうど良かろう。」 願われたモノ、ね。 渡されたパンフレットは、随分と可愛らしい絵が描かれていた。 「ようこそ起こしくださりました!神は貴方のような方を待っておられましたよ!」 信者らしき男が言う。 神、ねぇ。 屋内の祠っぽいものをよく見ると、なんかがいた。 「ささ、早速奇跡をお見

          夢と現実と

          夢を見た。 ガキの頃の夢。だけど、いつも見る夢とは違ぇやつ。 家にはいろんなやつがいる。 頭から耳が生えたやつ、見た目はちびっ子だってのに酒飲んでるやつ、そして…… 「がぶ」 「ってぇ!!なにすんだ!!」 「はらへった」 「俺の腕は食いもんじゃねぇっての!」 「どうかお鎮まりください、■■様。今お食事をご用意しておりますが故。」 妙にかしこまりながら飯作ってる親父。 「……後で怪我みせてね。」 そう言って親父は、困ったように笑って――。 「起きたか。」 「……おー。」 寝て

          夢と現実と

          休息

          どうもマジでこいつのことが見えてるのは俺だけらしい。 ま、血だらけでガキ連れてるより血だらけで一人の方が怪しまれないかもしれねぇが。 「ひとまずは汝の住処に邪魔することとしよう。」 「マジでボロいアパートだが。」 「あぱあと。……よくわからぬが寝るところさえあれば十分だ。」 あー……どうだろ。最近掃除サボってたからなぁ。 内心思いながら金属製の階段を上がる。 「よーこそ、四畳半のぼろアパートへ。」 「……汝。」 「んだよ。」 「清めよ。この空間はヒトの身に毒だ。」 「文句あん

          契約

          「……まさか天使サマのお迎えか?」 皮肉交じりに言う。 そうでなきゃ、死にかけてる俺が見てる幻覚か。 「否。」 「じゃあなんだ?ガキンチョ、お前ソシャゲやりすぎじゃねぇの?」 深夜アニメとかにありがちな変な台詞言いやがって。 「否。我は……そうさな。住処と、名と、力を奪われた者。今は、それだけしか言えぬ。」 ……あ? 「なんだそりゃ。」 「我が姿、汝以外には見えておらぬ。そも、汝に我が声が届いていること自体、我の想定外だ。」 じゃあなんだ。 こいつ、一方的に俺のことみてたって

          逆噴射大賞ライナーノーツ2024

          前置きを書く習慣がないのでいきなり本編です。 「創世神話」 基本、小説を書くときには「どないせいっちゅーねん」と「うわあああああああああああああ(完成)」のどちらかになります。これは後者。 実はモチーフは筆者(私)だったりします。 二次創作はまだしも一次創作を書くとディストピアSFかポストアポカリプスになるんです。 文明が滅ぶんです。 「なんで文明ってこんなに簡単に滅ぶんですか」ってぐらい滅ぶんです。 『じゃあ、どんなに頑張っても文明が滅びちゃう神様がいてもいいじゃな

          逆噴射大賞ライナーノーツ2024

          創世神話

          創世の神は世界をお作りになる前に、自らを二分割された。 片面は、民に試練を与える『冷徹なる神』となられた。 片面は、民に恩恵を与える『叡智なる神』となられた。 自らを分割することで互いを客観視し、相互監視することでバランスを取るという、神ご自身の采配であった。 ――創世神話一章一節『始まりの日』より抜粋 ぅぇぇ・・・またやっちゃったぁ・・・。 「マヂ無理・・・病む・・・」 「れぃてゃ、どしたの?」 えぃちだ。 えぃちは、れぃてゃの、ズッ友。 たったひとりの、ズッ友。 「文

          創世神話

          "偽"跡

          哀れな男よ。こんな場所で倒れ伏し、その命の灯は今にも消えそうだ。 「――まだ、死ねねぇんだよ、俺は」 されど不思議なことに、男は未だ己の命運を諦めていない。口から血を吐きながらも、まだ立ち上がろうとしている。男よ。一体何が、お前をそこまで駆り立てると―― ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 「――神を、信じますか?」 歩いていたら突然声をかけられた。 目の前には 電話番号と住所が書かれたパンフレットに、信じる神の名前が載っていないことだけ

          植物電子の本(CD)のレビュー

          はじめに 特筆すべきCOIはありません。また、公式様とは何の関係もありません。 公式サイトはここです。 あ、『CDは買わないんだよなぁ』と思ったそこの貴方。 Bandcampにもでますよ。 あと一つだけ。 私は音楽のことさっぱりわからないのですごいニュアンスとふわっふあな感じでレビューします。 1. 記憶草の万象歴 透き通るようなギターの音が繰り返される。けどそこに別なギターが入ったりするのでただの繰り返しじゃない。インスト曲ってよりソロ曲の間奏がずっと続く感じのイ

          植物電子の本(CD)のレビュー

          セリアドールやってみた

          ~多分これが一番簡単だと思います~0. はじめに 特筆すべきCOIはありません。 顔は「アイデカール、つや消しスプレーなし」 髪は「ボンドとゴミ取りネットのウィッグキャップ、細切りフェイクファー」 胴体は「既製品の服を着せたのみ」 以上のレギュレーションで走らせていただきます。 途中でのっぺらぼうや無頭人形が出てくるので注意してください。はだかんぼはいません。 1. 自己紹介 名前:yama娘 家庭科の成績:万年3 図画工作・美術の成績:万年3 手の器用さ:自他共に認め

          セリアドールやってみた

          「マッチョ」の考察

          注意:このnoteには「温泉シャーク」のネタバレしかありません。まだご覧になってない方は劇場でご覧になってから本ページを読んでいただくことを強く推奨します。 0.はじめに  特筆すべきCOIはありません。  そして、ここに書くことは全て公式設定とは関係無い、私の脳内でうまれたものです。公式設定と食い違っていた場合はそちらが正しいのでそのつもりでお願いします。 1.マッチョの話をしよう  マッチョとは、マッチョである。  スタッフロールにも「マッチョ」と書いてあった以上

          「マッチョ」の考察

          ねこパンク

          ぼくは、一般的なねこである。 ねこまんまが大好きな、ねこである。 今は人間に吸われている。なんでも「えねるぎー」というものになるらしい。よくわからないが、吸われたあとにはねこまんまが待っているのでよしとする。 そして、人間は誰も知らないだろうが、全てのねこはペタコーポという大きなところに所属している。どうだまいったか。 人間が「ねこ集会」と呼んでいるのは、ペタコーポの部長会議だったりする。だからあんな少人数なのである。 ペタコーポの由来?肉球でぺたぺたしてるからだけど? って

          ねこパンク

          ノイズゴースト・ハンターズ

          「えー……諸君らも知っているとおり、彼が作ったコイルの塔での無線送電システム。この実験が成功したことにより第二次産業革命が起こり、世界中の電気という電気は全て無線で送信されている。」 眠い。 寝るととんでもなく怒られるから寝ないようにして窓の外を眺める。 全く、昨日も寝るのが遅かったというのに、この先生はそんな学生のことを考えることすらしない。いや、それをこの先生に求めるのも酷な話か。 そもそも我々の活動は両親にすら知られていないわけだ。我々が昨日行った大立ち回りとそれにより

          ノイズゴースト・ハンターズ