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1話 はじまり

「・・・で、ジョン、続きは?」
目の前のダチ――ジャックが訊いてきた。
興味津々なのはありがたいが、ね。
「ご覧の通り血まみれで読めねぇの。」
こりゃひどい。
そう思いながら手帳を見せると、ジャックもうへぇという顔。
「うへぇ、こりゃひでぇな。てかどこで拾ったの。」
「地面に落ちてたから拾ってきた。」
この辺りはサツも厳しくない。
だから、多少落とし物を拾う位じゃ捕まらねぇってワケ。
「相変わらずだな。」
「落ちてたのが悪い。俺は悪くねぇ。」
しかもこんな。
こんなわくわくするような内容を落としやがって。
「まぁそれはいいや。で、どうすんのこれ。」
「暴くけど?」
「――前の持ち主の運命そのまま辿ることになってでも?」
バチリ、と視線が合う。
「そりゃあ、な。――当然だろ?」
だから、視線を合わせたまま答えてやった。

「だよな。お前が日和ったらその手帳奪って俺一人でやるつもりだったけど。ジャックと一緒ならなんだってできるな。」
「Oh, man・・・お前も相変わらずだなこんにゃろう・・・。」

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