トラウマ

驚いた。
実家で父に向って彼の間違いを指摘し、彼に怒鳴られるか、怒られるかと覚悟したら動悸がして危うく涙が出そうになった。
50を過ぎて、まだ私はこんなにも父が怖いのか、と、本当に驚いた。
手が震えるほどなのだ。
ドキドキしすぎて、少しその部屋を出て呼吸を整えねばならなかった。
子供の頃に父の恫喝で家族全員が支配されていた、
今でいうとモラハラなのだが当時はそんな言葉はなく、
家庭内暴力というのは物理的な暴力(殴る、蹴る)だと思っていた時代。
あの頃に受けた心の傷が、今でもこんなに残っていたのか、と愕然とした。
頭ではもう父なんか弱い老人で、私の方が強いとわかっていても
心に反応して体がふるえ、動悸がし、涙が出てくる。
完全にトラウマだ。

妹達にこのことを話したら、姉も同じだったのか、と驚かれた。
彼女達もやはり、父に向って何か言うとき
ものすごく動悸がしてふるえたり涙が出るのだと言う。
私達の中にいる、小さな子供の私達が今でもおびえて泣いている。

言葉の暴力を受けた記憶は消えない。

今になって父に優しくしろと言われても、
限界はある。

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