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MAZDA MX-30 EVは早急にバッテリーを増やすべき!
世界的にはPHEVよりEVがまだまだ主流
電気自動車のことをEVと表記したり、より正確にBEVと書いたりしますが、いずれにしても、EV失速という報道を目にすることが多く、EVはオワコンというイメージが強くなっているのでは?
そのためEV開発にリソースを割くことはあり得ない…といった理解をしている人が増えているかもしれませんが、はたして世界的にEVの販売が減速しているのかといえば、さにあらず。
たとえば、フォルクスワーゲングループの発表データによると、2024年における同グループのEV販売は前年比-3.4%の約75万台となったそうですが、その減速は北米市場によるところが大きいといいます。実際、EV販売における前年比を見ると次の通り。
欧州市場:+18%
中国市場:+8%
北米市場:-30%
ほとんどアメリカがEVを買わなくなったから世界的に減速しているだけで、その他のマーケットではEVマーケットは成長していると捉えることができそう。また、2024年はEVよりPHEV(プラグインハイブリッドカー)のほうが増えたという声もありますが、これまたフォルクスワーゲングループが2024年に販売したPHEVは約27万台ということですから、まだまだEVのほうがマーケットは大きいというのが事実といえましょう。
MX-30 EVの価格は約467万円から
こうしたグローバルなマーケット状況を知ったうえで気になるのは、マツダのスペシャリティモデル「MX-30」の現状と行く末。
ご存知のように、もともとガソリンエンジンのマイルドハイブリッドを積んで誕生したMX-30は、2021年にEV仕様を追加、さらに2023年11月にはRotary-EVを追加しております。マツダのアイデンティティといえるロータリーエンジンを発電用に使うRotary-EVは、いわゆるシリーズハイブリッドシステムで、そこに外部充電機能を加えたPHEVに分類されるのがMX-30 Rotary-EV。
製造時のCO2発生量の多いバッテリー搭載量を最小限として、ハイブリッドシステムによって航続距離を確保するというPHEVは、ユーザーの利便性と環境性能がバランスした、現在のベストソリューションという意見もありますが、上記のようなグローバルでのトレンドを見ていくとPHEVよりEVに注力すべき、とも感じてしまうのです。
そうはいっても、MX-30 EVの性能は現代の基準で見ると厳しいもの。いや2021年時点でも、バッテリー総電力量35.5kWh、一充電航続距離256kmというのは「ガンガン売るぞ!」というより「とりあえず出しました」感を受けるものでしたが、2025年基準でみると時代遅れの性能というのが正直なところでは?
しかもメーカー希望小売価格は466万9500円~521万1800円となっていますから尚更。MX-30と似たような車格、キャラクター、立ち位置でライバルとなるモデルを考えると、たとえばプジョーe-2008が浮かびます。こちらの価格は576万4000円ですが、バッテリー総電力量は50kWh、一充電航続距離は380km。
MX-30 EVの35.5kWhというバッテリー総電力量は、ライフサイクルアセスメントを考慮したときのウェルバランス…というマツダの主張を理解はしても、車両価格からの期待値に対して短距離しか走れないクルマを、わざわざユーザーが選ぶ義理はないのも事実。MX-30のような個性的なスタイリングのモデルを欲しいというコアなユーザーが納得できるだけの航続距離を実現しないと市場で選ばれるクルマになるのは、なかなか難しいのでは?
具体的にいうと、価格はそのままでバッテリー総電力量を50~60kWh級に増やさないと、MX-30 EVの存在感が消えてしまうと思うことしきり。マツダ的には、Rotary-EV推しなのかもしれませんけれど…。