第15段 チョンマゲの時代は終わる
何の話か。
現代の話だよ。
この昭和から平成、令和にかけて
続いてきた時代、
その大転換期が来ているのだ。
AI技術の進歩で、
旧来の業態は一新される。
これは、チョンマゲに脇差、侍といった
江戸時代の日本が、変革を迫られて
見事なまでに社会を一変させたという
歴史的事実になぞらえられるほどの
大変革となるだろう。
今、終わりを迎えようとしている
業種の一つが、銀行である。
まあ確かに、あまり銀行の窓口に
行く用事がない。
無論、銀行に口座も預金もあるから、
銀行は利用しているのだが、
ほとんどの用事は
ネットで完結してしまうのだ。
スマホ決済、クレジットカード決済
ばかりやるようになって、
現金もさほど必要でないから、
お札をATMに下ろしに行くことも
少なくなった。
通帳も今やネット上で閲覧できる。
紙の通帳など、元々もらっていない
銀行さえある。
楽天銀行などのネット銀行だ。
そういう銀行は、窓口そのものがない。
電話のオペレーターくらいはいるだろうが。
実店舗がなくても何ら不都合はない。
電子署名なるものも、ぼちぼち
やってみたことがある。
まだまだ一般的と言えるほど
普及はしていないようだが。
要は、本人であることが
厳格に担保できれば良いのだ。
ブロックチェーン技術を組み込めば、
いずれ紙媒体より便利かつ信頼のおける
システムも作り出されることだろう。
今では、AIが作り出したものの方が、
人間が作り出したものより
高性能ということもあるらしい。
断っておくと、真っ先に削減されるのは
「銀行員」
つまり労働者としての人間である。
「銀行業務」そのものは、
貨幣経済が続く限り、
今暫く必要とされるだろう。
「銀行員」が一気に消滅するわけでもなく、
じわじわと機械化されていくだろう。
人は将来的に減らしたい。
今のうちに手は打っておきたい。
とするならば、正規職員の数を削減して、
代わりとしていざと言うときに切りやすい、
非常勤職員の比率を高めておくというのは
経営者が当然考えていることのうちの一つだ。
労働基準法だの労務管理だの、
作業能率を上げるために十分な
休み時間を与えろだの、
人間を雇うのが心底うざい!
と感じてきた経営陣は、
時代の変革とともに
新たな手を打ち出してくるだろう。
それは、業務の大幅なシステム化である。
それも、平成時代のように、
必ず人の手で操作しなければならない、
中途半端なものではなく、
全自動のシステムである。
全自動洗濯機以上に全自動である。
定型的な仕事であれば、
機械が自動的に業務を
こなすようになってくるのである。
もはや、人の手が全く要らない
とまでは言えなくとも、
あまりにも込み入った案件以外は
ほぼ自動で、ミスもなく、
多くはネット上で完結するようになるだろう。
むしろそうした単純作業は
人間に任せておくと時間がかかったり、
くだらないミスをしがちであるので、
早々に機械に置き換わっていくことは
必至である。
政府が今になって書類押印撤廃に
躍起になっているのは、何でもネット上で
手続き事が完結するように仕組み化を
進める第一歩なのだろう。
というわけで、タイトルの
チョンマゲの人とは、
現代の銀行員をはじめとした、
消え去る運命にある
職業の人を例えて言ったものであった。
私が身をやつしている職業も、
所詮は単純な事務作業に過ぎないので、
遅かれ早かれAIに駆逐される職業であることに
違いはない。
そんな極端な機械化なんて、
現在の法律が想定してないよ!!
というのは、もっともな話である。
そもそも、昭和の時代に
その基礎部分が形作られた法律体系を、
後生大事に抱えておく必要はないのだ。
古い人間がこの世を去り、
新しい時代の人間が国の中枢を
担うようになってくれば、
自ずと新しい法体系が形作られて
いくことだろう。
かつて、パソコンが普及していなかった
時代は、みんな書類を手書きしていたのだ。
伝票も手書き。申請書類なんかも
手書きが当たり前。
今となっては到底信じられないことだ。
チョンマゲ!?
昔の人はそんな髪型していたの!?
今じゃとても信じられないね・・・
銀行員?
昔は人間雇ってやっていたの!?
今じゃとても信じられないね・・・
そんな時代がもうすぐ来るのだろうか・・・
210702初稿
210705書き足し
210706最終校正
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