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JR芸備線を考える高校生サミット

2024年8月25日(日)みよしまちづくりセンター(広島県三次市)で「JR芸備線を考える高校生サミット」が開催されました。広島県、岡山県から10校17名の高校生が芸備線や地域づくりへの意見や利用促進のアイデアなどを発表しました。

主催は、広島県立三次高校の生徒を中心にした任意団体「芸備線を盛り上げる会」や私も参加している「芸備線魅力創造プロジェクト」、そして三次市を拠点に活動する「みよしSL保存倶楽部」による実行委員会です。私は当日は運営スタッフの一員として、会場外の受付で発表高校生の応対やマスコミ対応などを行いました。そのため、当日は内容が聞けず、後日記録を聞かせて頂いたのでnoteの記事も遅くなりました。

福岡三次市長のご臨席とご挨拶、藤本安芸高田市長のご臨席を賜り、下森広島県議、玉重広島県議もご来賓として参列くださいました。約200人の来場者があり、用意した席が足らなくなり追加で席を用意するなどしました。来場者のうち2/3は芸備線沿線4市在住者で、来場者の1/4が高校生でした。

三次高校「芸備線を盛り上げる会」代表・國岡大暉さんは、会の活動報告と共に「芸備線のこと、地域のことを自分事として考えよう」と呼びかけました。続いて岡山県立勝山高校 前生徒会長・高田一輝さんが姫新線を守る取り組みを発表しました。姫新線は、兵庫県姫路駅と岡山県新見駅を結ぶ全長158.1kmで、中国地方で一番長いローカル線・芸備線159.1kmに次ぐ二番目の長さです。通学生にアンケートをとって集計・考察したり、勝山高校最寄りの中国勝山駅でワークショップを開くなど活性化に取り組んだ活動報告をされました。

その後、1部と2部に分かれて行われたトークセッションでは、広島経済大学准教授・加藤博和先生をファシリテーターに、國岡さん、高田さん、「芸備線を盛り上げる会」次期代表・武原寿明さんほか、広島県立三次高校、広島県立三次青陵高校、広島県立日彰館高校、広島県立庄原格致高校、広島県立西城紫水高校、広島県立可部高校、ノートルダム清心高校、岡山県立新見高校、岡山県立岡山工業高校、岡山県共生高校から17名が意見を発表、交換しました。

高校生の意見には次のようなものがありました。複数の発表者から同じ意見が出されたものもあります。
・芸備線がないと高校に通えなくなる。高校生にとって芸備線は必要だ。
・芸備線がなくなると沿線の高校の存続も難しくなり、地域の衰退につながる。
・芸備線がなくなると、免許返納者や高齢者の移動が難しくなる。列車の乗降口の段差、駅の階段などで苦労している高齢者をよく見るので、段差をなくすなど乗りやすい環境づくりをしてほしい。
・ダイヤが不便。アンケートなどで高校生の声を広い、利用しやすいダイヤにしてほしい。

ダイヤに関しては要望が多く出されました。
利用促進のアイデアも発表されました。
・ダイヤ改善で利便性を高めて日常利用を増やすほか、それ以外の価値を高める。(観光など)
・自転車の活用。自転車を分解せずそのまま積めるようにしたり、レンタサイクルの導入駅を増やす。
・特産品のラッピング列車、お好み焼きや果物などの特産グルメが楽しめるレストラン列車など、他に無い魅力的な列車で観光客を呼び込む。
・カープなどスポーツ観戦とコラボしたイベントやスタンプラリーなどをたくさん開催する。
・地元産品を販売する駅ナカショップや屋台などを設置。駅に地域の人が集まり、観光客にもアピールする。通学客も待ち時間が楽しめる。
・貨客混載で荷物を運べば、鉄道の旅客の大量輸送以外の役割を果たせ、物流ドライバー不足問題にも対応できる。カーボンニュートラルにも貢献する。
・駅から離れた観光地をバス・タクシーを使って訪れるツアーを造成して、芸備線の利用促進とタクシーや飲食等、地域経済活性を結びつけて地域にとっての芸備線の価値を高める。

普段通学で利用している高校生ならではの意見が多数発表されました。特に環境や高齢者への配慮などSDGsの視点からの意見が複数の生徒から出され、若い世代の意識の高まりを頼もしく感じました。

芸備線応援ソングも披露されました。「芸備線を盛り上げる会」作詞作曲の『光を求めて~僕らの快速物語』はデジタル音源によるMV上映で、疾走感あふれるダンスナンバーに乗せた高校生らしい生き生きした詞です。カバー演奏してくれるバンドを募集しているそうです。広島県庄原市西城町の「福祉バンド」作詞作曲の『芸備線』はDVD上映で、ブリティッシュロック風のギターから始まって、備後西城駅から汽車に乗ってふるさとを旅立つ若者の心を歌う切ない歌詞です。広島市の井原市駅を拠点に活動する姉妹ユニット「秀樹と吾一」は、会場で生歌唱の予定でしたが、急な体調不良のため動画での上映となりました。『わくわくカウントダウン』『芸備線で行こう』ポップで親しみやすい曲調で芸備線の存続を願う応援歌です。高校生の参加者の皆さんに送る「秀樹と吾一」からのメッセージを、私が代読しました。

代読しています(撮影/森川渉)

最後に意見発表した高校生一同が「高校生アピール」を読み上げました。「自分たちが責任をもって活性化に取り組んでいきます。芸備線は乗る人が少ない、廃線の危機といったことで注目されていますが、これからは、地域課題をみんなで考えて行動し、地域づくりで日本一注目を浴びるようにしてきましょう。地域の皆さん、世代を越えて、芸備線、姫新線、そして福塩線を一緒に盛り上げていきましょう」。

来場者の大人の皆さんがお帰りになられる際、口々に「高校生がこんなに真剣に考えているとは。知ることができてよかった」「自分たち大人もしっかり考えて行動しないと」と仰ってくださいました。ご協力くださった方々、ご来場の皆さま、発表したり、裏方を手伝ってくれたりした高校生の皆さん、本当にありがとうございました。

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