芸能事務所『サンミュージックプロダクション』を退社しました。
2020年3月末をもって、9年間お世話になった
サンミュージックプロダクションを退社致しました。
今、このタイミングで
会社を辞めて独立するということ。
数か月前に決めていたとはいえ少し勇気のいることでしたが、
このタイミングも選択も自分の「使命」だと思い「自分に出来ることを一つ一つやっていこう」と今はとても前向きな気持ちでいます。
僕自身ここ数年、
サンミュージックプロダクションで芸能マネージャーをやりながら
オリコンで記事を書き、インタビュー取材でライターの仕事をさせて頂いていました。
こんなマネージャーが少し珍しく、
「マネージャーの仕事について」「なぜライターもやっているのか」など、
僕自身への取材依頼をいくつか頂くようになりました。
お話を頂けるだけで大変ありがたかったのですが、
会社を辞めるこのタイミングで
今の僕の「想い」をここに綴らせていただき、全ての取材依頼の答えとさせてください。
今、エンタメ業界はとても苦しい状況です。撮影やイベントが中止となり、
不安を抱えているアーティストさんやタレントさんもたくさんいると思います。
そんな時こそ、マネージャーである僕たちの存在はとても大切です。
いつか必ず日は昇ります。
その時まで、一緒に支えていきましょう。
2020年3月31日
サンミュージックプロダクションでの最後の日
「芸能マネージャー」という仕事について、
そして今、僕が想うことを書かせて頂きました。
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退社する約4か月前の2019年12月7日
その日の現場は「マカオ」でした。
豪華な俳優陣の方々と一緒に
『マカオ国際映画祭』でレッド―カーペットを歩く本人の姿を見て、
自然と涙がこぼれてきました。
その時すでに会社を辞める決断をしていたからか、
その涙の理由は自分ではよく分かりません。
ただ初めて仕事場で流したその涙は、なんだかほっとしたような
そんな涙だったように思います。
9年間、マネージャーとして働いた日々を振り返ると
バラエティ、ドラマ、映画、音楽、ファッション、CM、イベントなどなど
エンタメに関わる全ての現場に立ち会うことができました。
どんな仕事が来ても、
おおまかな段取りや流れを知っている。
それはマネージャーにとって本当に大きな自信になります。
周りを見渡しても、
これだけたくさんの現場を経験できたマネージャーはそんなにいません。
僕は本当に恵まれた環境だったんだと、心からそう思っています。
芸能マネージャーはよく「付き人」のような存在だと思われますが、
すごく色んな仕事があります。
担当する方によっても違ってくると思いますが
スケジュール管理や送迎、打合せや台本チェック、取材の原稿チェックなどの事務的な作業からテレビ局への営業。時に企画書を書いたり、プロデューサーのように予算管理をし、ディレクターや演出家のように台本を書いたりすることもあります。
特に仕事のオファーに関しては問い合わせの窓口なので、
できるかできないか、内容やスケジュール、裏被りも含め、常に判断が必要です。
時に本人と意見の食い違いで気まずい雰囲気になったり
僕が事前にちゃんとチェックしていなくて、選んだ仕事が想像と全く違い
謝ったことも何度もあります。
それでも目の前のどんな仕事にも常に100%で向き合ってくれて、
何度も何度も助けられました。
メディアに出る側と出ない側
僕らはタレントさんの「喜び」や「感動」に共感することは出来ても、
目に見えない大変さや苦労、辛さを全て理解することはできません。
その辛さを想像できても「その気持ちが分かります」なんて、絶対に言えません。
マネージャーの動きやアドバイス、仕事の選択において何かのミスがあったとき
被害をこうむるのは
いつだってメディアに出るタレントさんです。
身近な存在である『マネージャー』
でも
実は僕らはいつだって、
損をしない「ズルい存在」なんです。
そんな忘れてはいけない大事なことに気付けるまで、
僕はたくさんの時間がかかってしまいました。
一方で、
マネージャーさんの中には、プロデューサーや演出家のようなタイプの人もいれば、家族や友達のようなマネージャーさんもいて、
どんな存在にでもなれて、色んな存在にもなれるのが「マネージャー」という仕事の魅力なんだと思います。
だからこそ、
僕らマネージャーの「成長」や「想い」は、
そのまま全部タレントさんの大きな大きな力になります。
そんな基本的なことに気付けるまで
僕は、本当にたくさんの時間がかかってしまいました。
芸能マネージャーをやりながら、時間を作って
ライターとして色んな人に会って取材をする。
勉強させてもらって、それをタレントさんに還元する。
それが僕が見つけた、
自分自身が成長する方法の1つでした。
今、エンタメ業界を取り巻く環境はとても厳しいです。この状況の中、
仕事が止まり、家で過ごす時間も長いと思います。
だからこそ今このタイミングで
何か自分の視野を少し広げてみませんか。
本を読む、映画を見る、スタッフクレジットを調べる、YouTubeをたくさん見る、好きなことを極めてみる。政治に関心を向けてみるなど。
そうすれば、新しい何かが発見できるかもしれません。
そしてそれはきっと、
必ずアーティストさんやタレントさんに還元できるはずです。
このタイミングではありますが、僕が会社を辞める決断をしたのも、
マネージャーとしてさらに成長するため。
この選択を尊重して下さった方々に、心から感謝しています。
2020年2月3日
僕の誕生日に本人からこんなメッセージを頂きました。
「誕生日おめでとうございます。今年はお互いにとって新たな挑戦が始まりそうですね。山本さんにとっていい1年になりますように」
マカオ国際映画祭の日「一緒に写真を撮りませんか?」と
9年担当して初めて2ショットで写真を撮ってもらいました。
初めてこんなことを言ったので、最初は怪訝そうな表情を浮かべながら
なんだか僕も少し照れくさくて、2人には変な緊張感が流れていたような気がします。
この写真は
僕の新しい1歩の、大きな支えになることは間違いありません。
9年間の感謝をこめて。
本当にありがとうございました。