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こもれびの下、大切にしたいことは




2023.11.18 こもれびBook Market

11月18日、黒潮町入野にある「加茂神社」の参道で『こもれびBook Market』を開催しました。

今回が初開催となった『こもれびBook Market』。名前の通り、会場となった参道は両端に木々が整列し、高く空に伸びた緑が私たちに太陽の光をお裾分けしてくれる、木漏れ日が気持ち良い場所です。

いつもの加茂神社参道

2018年、2019年と、この場所で以前開催されていた『海辺の本の夏まつり』。今でも毎月第2日曜日に黒潮町・土佐西南大規模公園で開催されている「海辺の日曜市」の夏休み企画として行われていましたが、コロナ禍となりそれ以降開催がストップ。今年の開催を試みていたそうですが、難しくなった時に、4月以降、本に関する活動を始めていたことでお話をいただいたのが『こもれびBook Market』の始まりです。

以前開催された『海辺の本の夏まつり』

もちろん、海辺の日曜市さんのイベントがあったからこそで、それがきっかけではありますが、「以前のイベントとは別物にしてもらって良いので、好きなように」という優しいお言葉をいただき、「どうせやるのであれば、以前の要素に新たな要素も加えたいな」と、あれこれ試行錯誤しながらの開催となりました。

「こんなお店もあったら良いな」「こんなことができたら良いな」「参道の雰囲気にきっと合うだろうな」。そんなことを考えながらお声がけさせていただいた出店者さんも。

参道の中で"hitoyasumi"

「社殿の中でヨガやピラティスなんてできたら気持ちよさそうだな」。想像したらとっても綺麗な空気が流れてきて、神主さんにご無理を言って、インストラクターさんにお願いをしてみたり。

いつもの整然とした静かで美しい参道の雰囲気が好きなので、できるだけその「自然」を壊さないよう、でもお客さんが「今日はちょっと特別」「イベントに来た」というワクワク感を持てるよう、装飾も「こうしたら」「ああしたら」を考えて。

木漏れ日が反射したり、透けたり
上空や木々の間にフレームを
お店の場所がわかりやすいといいな

そんなことを考えながら準備をして、当日を迎えました。

当日は晴れたり曇ったり雨が降ったり、おまけに強風で、もう文字通り、天気に振り回される一日でした。「本」をメインにしたイベントだったので、大事な本を持ってきてくださった出店者さんたちには申し訳ない気持ちと焦りとで、「あぁ、どうしよう・・・!」なんて思いながら参道を行ったり来たり。

それでも、参道に佇む木々たちのおかげで、少し雨風を凌ぐことができ、なんとか1日を終えることができました(出店者さんたち、本当に大丈夫だったかな?)。

想定以上のお客さんたちにも恵まれ、寒い気候の中、来てくださった方々の笑顔、出店者さんたちの笑い声も見聞きすることができました。

本や商品を手に取り、会話をしながら楽しんでいただいたお客さまたち
寒さの中、笑顔で出店してくださりありがとうございました
出店者さん同士の会話や笑顔も
真冬のような寒さの中だけど、美味しいアイス、ありました

イベント全体とは関係ないのですが、私、Yamamoto Marketとしての嬉しかった出来事も。

朝一番から開場を待ってくださっていたお客さん。Tシャツアート展で出店をした際に来てくださっていた方でした。「あの時買った糸井重里の〜」とお話をしてくださったり、終盤に来られたお客さんも、Tシャツアート展でお会いした方。「あの時すすめてもらった本が良くて〜」とお話ししてくれて、実は地元も隣の駅同士で。

お店もまだ無ければ、本屋としての活動もままならないのですが、こうしてひとり、ふたりと、喜んでくれている方がいるということは、本当に貴重なことだなと思いました。


話がそれましたが、きっと私のお店だけではなく、他のお店でもこうしたストーリーがたくさん生まれた一日だったのだと思います。それは、本だけではなく、お店の商品を通してだったり、お店の方々やその方のルーツ、つながりなど、いろんな要素によって生まれていたはず。

また、こもれびのイベントだけではなく、きっと全国様々な場所であるイベント、イベントだけではない日常、たくさんの場所であることだと思います。

それでも、黒潮町を舞台に、幸せを感じるひと時、ハッと嬉しくなる瞬間、驚きの出会いなど、そんな小さな物事がこの日に幾つも生まれていたのかもしれないと思うと嬉しくなりました。

「ヒトイロ」さんの陶器たちと落葉
英語の本の読み聞かせでは、「Go, dog! Go!」を
香川からオリーブも
同時期に近くのラッキョウ畑で咲くラッキョウの花でヘアアレンジ
香川の写真家・fuma yamakawaさんの展示も

同日、夜には出店者の皆さんと黒潮町内で懇親会もさせていただきました(遠くて来られなかった出店の方々、すみません・・・!)。

懇親会の中でも、実は同じ地域から今回黒潮町に来たけれど、ようやくこの日に繋がった方がいたり、地元の人と町外から来ていただいた皆さん同士が楽しそうにお話をしていたり、「行きたかったけど来たことがなかった」という懇親会会場で盛り上がってくれていたりなど、多くの方が黒潮町を楽しんで、好きになってくれていたことが、とても嬉しかった出来事でした。

出店者の皆さん

私はもう、今は役場の職員ではないので、黒潮町のPRをする必要も無ければ、「黒潮町を好きになってくれてありがとうございます」とお礼をいうのもなんだかおかしな気がしていますが。それでもどうしても、喜んでくれている姿を見ると、「ありがとう」と、すごく幸せになるし、嬉しくなります。


イベント後日、地元のケーブルテレビさんが当日の様子を素敵に編集し、放送してくれていました(28日(火)まで放送されると思います)。
取材時には、開催した経緯や出店者の方々のこと、今後の予定などをお話ししたまでですが、放送された番組を見ると、あの時詳しくはお話ししていないけれど調べてくれたのか、テロップで細かく補足を入れてくださっていました。「愛があるな」と、あたたかな編集に胸がじんわり熱くなりました。

私がしたいことは、こういうことだなと。


木漏れ日の下、大事にしたかったこと、大事にしたいと思ったことは。

黒潮町に住んでいる人が、「やっぱり地元はいいな」と思うきっかけになったり、黒潮町外から来る人が、ちょっと遠くても「なんて気持ち良い場所なんだろう」と違う土地の良さを発見してくれたり、そんなことが私の幸せだなと。

ケーブルテレビの編集を見て心が温かくなったように、「こもれび」がキラキラ、ゆらゆらする素敵な場所で、一つ、関わった方の中にあたたかな光が射していたのなら、ときめく瞬間があったのなら、嬉しいです。また来年も、そんな時間を作れますように。

ご来場いただいた皆さん、出店者の皆さん、関わってくださった皆さんへ、ありがとうございました。

また木漏れ日の下で

Special Thanks

✴︎「海辺の日曜市」さん
 今回のイベントのきっかけをくださり、お声がけくださり、
 ご協力をありがとうございました。海辺の日曜市の出店者さんたちにも
 いくつかご出店いただき、何だか安心させていただきました。

✴︎ATOM HANDS さん
 事前の準備から当日の運営まで、あたたかくサポートしてくださり、
 時にアドバイスをくださり、木工やレーザーも教えていただきました。
 何よりも、おふたりの存在が私のパワーになりました。

✴︎加茂神社 さん
 今回たくさんの「こうしたい」というわがままを優しく受け止めて
 くださり、素晴らしい会場をご提供いただきましたこと、本当に
 ありがとうございました。

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