不正事案に立ち会いました。
こんにちは。公認会計士の山本です。
今日、ある会社さんの、会社内で起きた、不正事案に立ち会いました。
公認会計士をしているので、時に、このような事案に関与しますが、気持ちの良いものではありません。
恐らく、多くの方は、私が「気持ちの良いものではない」と感じているのは、組織内で不正をした個人に対して、と考えるのではないかと思います。
しかし、私が「気持ちの良いものではない」と感じるのは、不正をした個人ではなく組織の方です。
なぜ、この組織は、
この状況になる迄、発見してあげないのか。
歯止めを掛けてあげないのか。
そもそも、未然に防いであげないのか。
ということです。
京セラの創業者の稲盛和夫さんは、「稲盛和夫の実学 経営と会計」という本の中で、
このように人の心は大変大きな力も持っているが、ふとしたはずみで過ちを犯してしまうというような弱い面も持っている。人の心をベースにして経営していくなら、この人の心が持つ弱さから社員を守るという思いも必要である。
と書かれています。
若し、会社が十分なチェックシステムを構築している中、それを意図的に破って不正を犯しているのであれば、私も、不正を犯した個人に対して「気持ちの良いものではない」と思うと思うのですが、
私自身、そういった事例を見たことがありませんし、日本の不正の殆ども、恐らく「人を信用して人に任せ(き)る」という考えの下、碌なチェックシステムしか築いていないような組織で、発生しているのではないかと思います。
この点も、日本人が「人」で信用を創る、という考えに支配され、 "accountability" を知らない、ということから来る、悪弊の一つと思えます。
「人」で信用を創る時、それは一方向の矢印しか存在しませんが、 "accountability" で信用を創る時、それは双方向の矢印になりますので。
"accountability" については、こちらをご覧頂ければと思います。