登山をはじめよう 装備編①~まずはこれだけはそろえよう~
登山は、お子さんから年配の方まで幅広い年代で楽しめる活動です。
天候に恵まれ、山の環境も良く、自身の体調も万全の場合は、安全で快適で楽しい山登りを楽しめるでしょう。
しかし、天候、体調、登山道などの様々なコンディションが悪化すれば、ケガをしたり体調を崩したりします。
・急に天候が悪化して雨が降ってきた。
・前日あまり寝れず、寝不足で眠い。
・地面が濡れていて滑りやすい。
などなど
様々なコンディションが悪化した場合でも、ケガや遭難のリスクを低減するために必要な装備があります。自分を守ってくれるのです。
登山道具にはおしゃれで魅力的な道具もたくさんありますが、
まずは、安全にかかわるための装備を真っ先に購入して、毎回の必須装備としてください。
そこで、まずはこれを準備すべき!装備をご紹介します。
(これらは、一般的に「登山の三種の神器」と言われています)
1.ザック
地面のコンディションが悪くて滑ったりつまずいたりして転んだ時に、両手を空けておく必要があります。
また、バックを手で持ったり斜め掛けのバックを使っていると、バランスを崩しやすく、最悪は登山道から滑落する可能性もあります。
そのため、まずは登山用の背中に背負うザックを準備しましょう。
では、どのようなザックが良いのか。
登山道具屋にいくと、色々な種類のザックを販売しています。
・15Lぐらいの小さいものから80Lぐらいの大型サイズのもの。
・シンプルで軽いものから機能満載でポケットがいっぱいあり重いもの。
・ショルダーハーネスやウエストベルトのパットが厚くて快適なもの。
(ただしパットが厚いものは、快適さと引き換えにザックが重くなります)
まず低山を楽しむのであれば、登山用として販売しているものであればどれでも大きな問題はないと思います。
わざわざ高価なものを買う必要はありません。予算と自分の好みを加味して、店員さんに相談して決めればよいです。
(まずは、それほどお金をかけず、無理せずにはじめましょう。)
しかし、初めから極端に大型で重いザックはやめた方がよいでしょう。
登山に慣れてきて、山小屋やテントに泊まるようになり荷物が増えてきたら、ステップアップしていけば良いです。
2.レインウェア
山の天気は変わりやすいです。雨が降らない予報になっていても山では雨が降る場合があります。
特に午後から天気が崩れることが多いです。
これは、山地特有の地形によるものが大きいと思います。
・山の斜面に風があたると斜面に沿って吹き上がり上昇気流が発生します。
・日光によって地面が温められると地面近くの空気が温められ軽くなり上昇気流が起こります。
上昇気流が発生すると、雲が発生して、雨を降らせる、というわけです。
なので、平地の天気予報が晴れだったから雨が降らないとは限りません。
体(衣服)が濡れて風が吹くと、急激に体温が低下します。
3000m級の高山では、夏でも低体温症で凍死する事故がおこっています。
よって、体が濡れないようにする必要があります。そこで、レインウェアの登場です。
レインウェアも様々な種類がありますが、防水透湿のゴアテックスのものが良いでしょう。
ゴアテックスは微細な孔が開いているのですが、その孔は水滴が通過できないほど小さいが水蒸気は通るぐらいの丁度良いサイズなのです。
なので、外部からの雨水は内部に通さないけど、内部の汗は外部に通すことができ、蒸れにくい状態を維持できるわけです。
(安価なビニールカッパは、汗が内部にたまって結果的に服がびしょびしょになると思いますが、それが軽減されるわけです)
欠点は、高価なこと。
しかし、レインウェアは1回購入すれば長く使えるものなので、初めから良いものを買った方が良いと思います。
3.登山靴
山に登るときには一般的に登山靴を履きます。
では、スニーカーと登山靴の主な違いは何でしょう?
・登山道のような凹凸のある道が歩きやすい。
・コンディションが悪い道でも滑りにくい。
・捻挫等のケガをしにくい。
などがあげられる思います。
登山靴は安全・快適に山に登れるように、以下のような特徴があります。
ソールの厚さ
登山靴はスニーカーと比べて靴底(ソール)が厚く、比較的曲がりにくくなっているため、凹凸のある道でも歩きやすいという特徴があります。
(ソールが薄いと地面の凹凸がダイレクトに足裏に伝わってしまい、痛みや疲労が蓄積されます)
ソールの種類、ブロックパターン
登山靴は滑らないようにソールが工夫されています。
”ビブラム”社のソールが高評価です。(ビブラムソールといわれています)
特別な理由がない限り、ビブラム社のソールを使っている登山靴がおすすめです。
また、ソールの底のブロックパターンは、グリップがきくように大きく、さらに水はけが良いよう溝が深くなっているものが多いです。
足首部分の形状
登山靴には、ハイカット、ミドルカット、ローカットの3つの形状があります。
ハイカットは足首まで覆われていて、ローカットはスニーカーのように足首は覆われていません。ミドルカットは、ハイカットとローカットの中間の位置づけです。
登山を始めたばかりの人は、捻挫を防止するために足首のぐらつきを抑えてサポートしてくれるハイカットかミドルカットがおすすめです。
余談ですが、せっかくハイカットやミドルカットの靴を履いているのに、足首部分の紐がゆるゆるの人をよく見かけます。
(ただ結んでいるだけの状態)
足首部分までしっかりと締め上げることで、ハイカット、ローカットの効果がありますので、最後まできっちりテンションかけて結びましょう。
ここまで、登山靴の特徴を述べてきましたが、初心者へのおすすめとしては、以下の通りです。
・ある程度ソールが厚くて硬い。ただし力を入れると曲がる程度が良い。
(硬すぎると歩きにくい場合があるので、初心者は注意)
・ビブラム社のソールを使っている。
・ハイカットもしくはミドルカット。
登山靴は数年たったら買い替える必要があるため、始めからオーバースペックの高価なものを購入する必要はないと思います。
そのうち山に慣れてきて、もっと色々な山に登ってみたいと思ったら、
・沢を渡渉したり雨でも山行するようになったらゴアテックスのもの
・重い荷物を担ぐようになると靴底が硬くて曲がらないもの、
・12本爪アイゼンが必要な雪山に行くようになるとコバ(アイゼンを装着
するためのでっぱり)がついているもの
というように、徐々にステップアップしていけばよいでしょう。