教職員向け プロンプト理解・作成研修プラン

「AIに上手く質問できない...」
「生成AIの回答がいまいち役に立たない...」

そんな悩みを持つ先生方は多いのではないでしょうか。
実は、生成AIとの対話で重要なのは「プロンプト」と呼ばれる指示の出し方です。
この記事では、教職員向けの研修プランを通じて、プロンプトの本質的な理解から実践的な活用方法まで、段階的に解説していきます。

ChatGPTなどの生成AIを教育現場で効果的に活用するための第一歩として、ぜひご活用ください。


研修の目的

  • プロンプトの本質的な理解

  • 効果的なプロンプト作成の考え方の習得

  • 教育現場での実践的な活用方法の理解

Part 1:プロンプトを理解する(30分)

1. プロンプトとは何か(10分)

プロンプトの定義

  • 生成AIに対する「指示」と「条件」の組み合わせ

  • AIとの「対話の設計図」

なぜプロンプトが重要か

生成AIの特徴:

  • 文脈を理解しようとする

  • 曖昧な指示は曖昧な結果を生む

  • 具体的な指示ほど的確な回答を得られる

2. プロンプトの基本要素(20分)

実例で見る要素の違い:
【基本的な質問】

修学旅行の計画を立てて


【要素を追加した質問】

修学旅行の計画を立てています。
以下の条件で案を作成してください:
・2泊3日
・関西方面
・予算は1人4万円
・班別行動を含める
・安全面の配慮事項を明記
  1. 目的の明確化

  2. 具体的な条件の設定

  3. 必要な要素の明示

Part 2:プロンプトの工夫とは(30分)

1. なぜプロンプトを工夫する必要があるのか

実例で体験:
【工夫していないプロンプト】

運動会のプログラムを作って

予想される問題点:

  • 対象が不明確

  • 時間配分が不明

  • 必要な要素が曖昧

【工夫したプロンプト】

小学校の運動会プログラムを作成してください。
条件:
・全校児童600名の中規模校
・9:00開始、15:00終了
・午前:低学年中心、午後:高学年中心
・全校種目を2つ以上
・準備体操と休憩時間を適切に配置
・雨天時の判断基準も含める

改善された点:

  1. 対象の明確化

  2. 時間の具体化

  3. 必要な要素の明示

  4. 配慮事項の追加

2. プロンプト工夫の3つの視点

①目的の明確化

  • 何を求めているのか

  • どのような形式で欲しいか

  • どのように使用するのか

②条件の具体化

  • 数値での指定

  • 形式の指定

  • 制限事項の明示

③文脈の提供

  • 状況説明

  • 背景情報

  • 期待する結果

Part 3:実践演習(20分)

1. 基本のプロンプトを工夫する

テーマ:「道徳の指導案作成」

Step 1: 基本プロンプト

道徳の指導案を作成してください。

Step 2: 目的を明確化

6年生の道徳の指導案を作成してください。
テーマは「思いやり」です。

Step 3: 条件を追加

6年生の道徳の指導案を作成してください。
【条件】
・テーマ:思いやり
・時間:45分
・導入では身近な例を使用
・話し合い活動を含める
・振り返りの時間を確保

Step 4: 文脈を提供

6年生の道徳の指導案を作成してください。
【背景】
・SNSでのトラブルが増加している
・相手の気持ちを考える機会が必要

【条件】
・テーマ:思いやり
・時間:45分
・導入では身近な例を使用
・話し合い活動を含める
・振り返りの時間を確保

【期待する効果】
・SNSでの適切なコミュニケーションの理解
・相手の立場に立って考える習慣づけ



まとめ:効果的なプロンプト作成の原則(10分)

1. 明確性の原則

  • 具体的な数値

  • 明確な条件

  • はっきりした目的

2. 段階性の原則

  • 基本から徐々に条件を追加

  • 結果を確認しながら改善

  • 必要に応じて修正

3. 安全性の原則

  • 個人情報への配慮

  • 著作権への注意

  • 教育的配慮

研修後の実践に向けて

1. 実践のステップ

  1. 小さな課題から始める

  2. 結果を確認しながら改善

  3. 成功事例を共有

2. 継続的な改善

  • 効果的だった工夫の記録

  • 課題点の共有

  • 新しい活用方法の開発

3. 児童・生徒への指導展開

  • 段階的な導入

  • 適切な活用場面の設定

  • 安全な使用の指導

まとめ

プロンプトは、生成AIとの「対話の設計図」です。
明確な目的、具体的な条件、適切な文脈を提供することで、より良い対話が可能になります。

まずは小さな課題から始めてみてください。
そして、うまくいった工夫や課題点を教職員間で共有しながら、
よりよい実践につなげていっていただければと思います。

生成AIは、使い方次第で強力な教育支援ツールとなります。
プロンプトを工夫することで、その可能性は大きく広がっていくはずです。

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