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「難しい」を「楽しい」に変える - 4年生算数「結合のきまりと交換のきまり」の授業から

「難しい」を「楽しい」に変える魔法 - 4年生算数「結合のきまりと交換のきまり」の授業から

今日の4年生算数少人数チームは、多くの子どもたちが苦手意識を持ちやすい「結合のきまりと交換のきまり」の指導でした。この授業での発見を共有したいと思います。

1.「難しい」という壁をどう越えるか

算数の中でも特に抽象的な概念が多いこの単元。子どもたちの目に浮かぶ「?」マークを「!」に変えるには、どうすればいいのか。今回は以下のアプローチを試みました。

  1. 一緒に考え、一緒に解く
    まず、全員で計算問題を解きながら、「どこを工夫すれば簡単に正確に計算できるか」を考えました。ここでのポイントは「一緒に」すること。教師が一方的に教えるのではなく、子どもたちと共に考えることで(時に教師がわざと間違えて子どもたちに指摘させるのも効果的)、自分たちで発見する喜びを感じてもらいたかったのです。

  2. 考える時間と実践のバランス
    考えることは大切ですが、考え込みすぎて疲れてしまっては本末転倒。適度に考えるタイミングを設けつつ、実際の計算を通じてきまりの便利さを体感できるよう心がけました。初めはわからなくても、繰り返していくうちに「あ!」と気づく瞬間を大切にしたいです。

  3. 実践を通じての「腑に落ちる」瞬間を大切に
    百聞は一見にしかず、ならぬ「百聞は一解にしかず」。実際に計算をしながら、きまりを使うことでどれだけ楽になるかを体感してもらいました。

2.「わかった!」の瞬間

授業の中で最も嬉しかったのは、最初は計算を間違えたり、きまりをうまく使えなかった子が、最後の練習問題で一番に全問正解したことです。その子の目の輝きは今でも忘れられません。

もちろん、他の子たちも1時間ずっと計算し続けていました。普段なら「もう疲れた」という声が出そうなところですが、終わりには「楽しかったー!」という感想が。これこそが、学びの本質だと感じました。

3.教師としての学び

この授業を通じて、改めて「理解」と「楽しさ」の関係性を考えさせられました。

  1. 「分かる」から「楽しい」が生まれる
    難しい概念も、理解できた瞬間に「楽しい」に変わります。その瞬間をどう作り出すかが、教師の腕の見せどころだと感じました。

  2. 「一緒に」の力
    教師が教え込むのではなく、共に考え、発見する過程が重要です。これは、子どもたちの主体性を引き出すだけでなく、教師自身も新たな気づきを得られる貴重な機会になります。

  3. 練習の重要性
    理論だけでなく、実際に手を動かし、頭を使う。この「体験」が、抽象的な概念を具体的な「わかった!」に変える鍵になります。特に、考える子たちが苦手な子には実際に解きながら腑に落ちる瞬間へと導いてやることも大切じゃないでしょうか。対話の大切さが強調される昨今ですが、友達との対話だけでなく、問題との対話を通しても学びを深めることができると思います。

3.これからに向けて

「結合のきまりと交換のきまり」の授業を通じて、算数の楽しさ、学ぶ喜びを子どもたちと共有できたことを嬉しく思います。

これからも、「難しい」を「楽しい」に変える授業づくりに挑戦し続けたいと思います。そして、その過程で生まれる子どもたちの「わかった!」「楽しい!」という声を、原動力にしていきたいと思います。

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