ICT×理科実験 - 5年生「ふりこ」の授業
ICT×理科実験 - 5年生「ふりこ」の授業
5年生理科の「ふりこ」の授業を通して、ICTを活用した授業が、子どもたちの学びをどのように変えているのか、その一端をお伝えします。
1.授業の概要
まず、簡単に授業の流れを説明しましょう。
ふりこの一往復する時間に関係する要因を予想
ふりこの長さ
ふりこの重さ
ふりこのふれはば
実験:ふりこの長さを変えたときの1往復時間を測定
30cmと60cmの2パターンで実施
結果をmiroボード(オンラインホワイトボード)に入力
2. ICT活用のポイント
この授業でのICT活用の特徴は以下の2点です。
リアルタイムでの情報共有
班ごとの実験結果をmiroボードに即時入力することで、クラス全体でデータを共有。これにより、他の班の結果との比較が容易になりました。個人での記録
各自のフレームに実験条件を自ら入力し、班の結果のスクリーンショットを貼り付け。個人の振り返りにも活用できます。
3. 驚きの発見:子どもたちのICTリテラシー
授業を進める中で、普段から使ってるとは言え、あらためて子どもたちのICTスキルの高さに驚かされました。例えば、こんな場面がありました。
ある子が「書き方がわからない」とつぶやいたとき、すかさず隣の子が「他の人のを見ればいいよ」とアドバイス。これは、日頃からICTを活用する中で培われた「他者参照」のスキルだと言えるでしょう。
このような場面は、私が気にしていないだけで、おそらく日常的に起きているのだと思います。友達の様子を見ながら自分の作業を確認したり、書き方を参考にしたりする。これこそが、クラウドを活用する最大の利点ではないでしょうか。
4. ICT活用の差が生む影響
一方で、ICTを日常的に使用していない教室との差も感じずにはいられません。例えば:
実験結果の即時入力
個人フレームへのスクリーンショット貼り付け
これらの作業を、子どもたちが躊躇なくこなしていく様子は、日頃からのトレーニングなしには実現できないでしょう。
5. ICTは手段であり、目的ではない
ここで強調しておきたいのは、ICTはあくまで手段だということです。今回の授業の本質的なねらいは「ふりこの一往復する時間に関係する要因を調べる」ことです。
ICTの活用は、この目的を達成するための効率化ツールであり、それ自体が目的ではありません。実験にはしっかりと時間をかけ、その結果を効率的に共有し、分析するためにICTを活用しているのです。
6. 終わりに
ICTの活用は、確実に子どもたちの学びを変えています。情報の共有、協働作業、他者参照など、これからの社会で必要不可欠なスキルを、自然な形で身につけていっているのです。
しかし、それと同時に、アナログな実験や体験の重要性も忘れてはいけません。デジタルとアナログ、そのバランスを取りながら、子どもたちの学びをサポートしていく。それが、これからの教育に求められているのではないでしょうか。
皆さんの学校や教室では、ICTをどのように活用されていますか?教育のデジタル化について、一緒に考えていけたら嬉しいです。