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「生きものたちと仏教のはなし」華園真慶(はなぞの しんきょう) 著◆読書記録◆
この本は一言でいうと…
獣医学部を卒業した僧侶の著者が、
「人間と人間以外の動物の生命について、どう向き合っていくか」
その考え方の一つを、仏教の観点から教えてくれる本です。
生きものを殺さずに生きていけるか
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仏教には生き物を殺してはいけないという『不殺生』の教えがあります。
著者は、そのような戒めは守れないと言う。
獣医学部で動物実験も行ったし、
普段食べているものは動物、植物、様々な生命の恩恵だと。
仏教の戒めである「不殺生」の本質は、
"生き物を殺してはいけない"という事ではなく、
"生き物を殺さないで生きる事はできない事に気づく"こと
だと、教えてくれます。
犠牲となった生きものへの感謝
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犠牲となった生きものへの感謝、敬意をしめす行為が、
「合掌」と「いただきます」「ごちそうさまでした」の言葉。
食べ物を粗末にすることなく、
食べ残すことなく、美味しくいただく。
食育などの難しい言葉でなくても、
小さい頃から大人に教えられた、
命への向き合い方を再認識させられます。
伴侶動物 ~Companion Animal~
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動物実験などで犠牲になった生きものの慰霊碑を建立したり、
鎮魂祭を開催するという文化は、
意外にも諸外国ではあまり見られない光景だとのこと。
日本人は、動物も同じ世界に住む仲間という考え・動物観が強いようです。
著者が僧侶なので、こんな話題にも話が及びます。
『ペットと同じお墓に入りたい』
『この子も極楽浄土に行けるのですか?』
浄土真宗では、人間以外の動物は一段低いレベルの存在であり、
人間と同様に扱うことは出来ないと考えられていたけれど、
実際はどうなのか・・・?
著者の考えを、ぜひ読み取って下さい。
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