シェアリングサイクルについて考える
こんにちは、gataです。
今日は福岡市でサービスを展開されているメルチャリについてです。
・メルチャリの良い部分
・ユーザーのマナー問題
・マナー問題の解決策
をユーザー目線でまとめます。
目次
-メルチャリ運営会社「株式会社ソウゾウ」
-メルチャリについて
-お手伝い制度
-メルチャリのゲーミフィケーション
-マナーの問題について
-ユーザーがマナー問題の解決策を勝手に考えてみた
-まとめ
メルチャリ運営会社「株式会社ソウゾウ」
フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリのグループ会社、株式会社ソウゾウ(2015年9月設立)が運営しているサービスです。
あまり多くの情報が出ているわけではないので詳しいことは分かりませんが、私はこの会社が好きで、挑戦を行っている会社という印象を持っています。
「次のメルカリ級事業の創造」をミッションに掲げ、新規事業開発を行っており、サービスのリリースからクローズまでを見ていても、スピード感が物凄く早いです。
↓過去に想像が撤退したサービス(提供期間)
最近では、メルカリNOWが話題になりましたが、1年以内に撤退しているサービスも多いです。
事業を継続するかどうかの判断軸が、「メルカリ」を越えることが出来るかどうか、というのもいいですね。私が勤めている会社でも、10個以上の自社プロダクトを開発・提供していますが、サービスを終了して撤退するというのは簡単に出来ることではありません。このスピード感、本当にすごい。
更に、たまにカスタマーサポートにアプリ内のチャットで質問するのですが、この対応もめちゃくちゃ早い。しかも丁寧。さすが、メルカリ。カスタマーサポート&カスタマーサクセス最強ですね。
メルチャリについて
メルチャリとは、ソウゾウが提供する、シェアリングサイクルサービスです。※2018年2月27日福岡市にてサービス提供開始
「福岡スマートシェアサイクルにおける実証実験事業(2018年6月22日から2020年3月31日まで)」を福岡市と連携して、都心部への自動車流入抑制、都心部の回遊性向上に取り組んでいます。
スマホアプリ「メルチャリ」で、自転車とポートと呼ばれる駐輪場の位置をを確認することができ、アプリから自転車についているQRコードを読み込むことでサービスを利用出来ます。
利用料金も1分4円ととても利用しやすいため、私もヘビーユーザーで最近ライド数も100回を超えました!
メルカリのアカウントを持っていればすぐに利用出来ますし、最近はポートと自転車の数も増えているので、福岡のようなコンパクトシティは、本当に良いサービスだと思います。
ちなみに、最近、家の近くにエアビー専用のマンションが増えているのですが、そこにもセットであるかのようにポートが設置してあります。
博多駅から歩いて20分くらいかかるので、荷物が少ない訪日外国人や小旅行者にとっては良いのかもしれません。
メルチャリの利用方法など細かいことに関しては、詳しく説明している記事があるので、そちらを参考にしていただければと思います。
お手伝い制度
メルチャリが面白いなーと思うところは、お手伝いという制度です。
サービスを利用したら(ライドすれば)マイルが貯まり、チケットがもらえるというのはよくある機能かと思いますが、メルチャリの運用をお手伝いしてくれたらライドチケットがもらえるというのはシェアエコサービスではとても重要な視点だと思います。
私も初めからメルチャリに愛着があった訳ではないのですが、
・ポイントが貯まるから
・ライドチケットがもらえるから
という理由でお手伝いをしていると、最近では自分もメルチャリを一緒に運営しているかのような気持ちになってきています笑 ここもソウゾウの狙いなのかもしれません。
放置自転車を見つけると、「ポートに戻さなければ!」
自転車が故障していると、「運営に知らせなければ!」
自転車が放置自転車として紙を貼られていると、「早く報告しなくては!」
こんな感じで、何か問題はないかなとついついチェックをしてしまいます。
メルチャリのゲーミフィケーション
モバイク・ジャパンが提供する「モバイク」のように自転車の予約機能はないのですが、予約機能がないからこそ他な人に取られる前に取らないといけない!という気持ちになり、メルチャリアプリを立ち上げて残りの台数を確認しながらポートまで急いで向かいます。
このように、メルチャリは空いているポートに行ったり、放置自転車を探す(後ほど説明)という行動がゲーム性があり面白いです。
メルチャリに乗ろうと思ってポートまで行くと、前を歩いていた人がそのまま利用して乗れなかったということもありますが、次のポートを探すぞ!と走って別のところに向かうということもしばしば。
そのおかげか分かりませんが、メルチャリ利用し始めてから、体重が5km以上痩せました笑
通勤で利用する場合は、予約機能がない分ちょっとリスクはあるかもしれませんね。乗りたい時に「メルチャリあるから乗ろう!」というのが一番使いやすいです。
また、メルチャリには「クラブメルチャリ」という制度があります。
クラブメルチャリとは
メルチャリでライドやお手伝いによってマイルなどが貯まり、さまざまな得点を受けられるプログラムです。
特に、お手伝いという制度が面白いのですが、お手伝いには、下記の4つの行動があります。
・ライド終了後のレビュー
・故障車やポート外の自転車の報告
・ポートについての問題の報告
・ポート外に放置されてしまったメルチャリの、ポートへの移動
特に、放置自転車をポートまで戻すというお手伝いは一回戻すと、15分間無料ライドチケットがもらえる(2019年1月現在)ので、私も積極的に行っています。
最近は、ポートに行ってライドするのではなく、まず、放置自転車を探して取られる前に取りに行きます。
放置自転車のマークがあると、ライドチケットを獲得するために少し遠くてもわざわざ放置自転車がある場所まで行ってしまいます。
放置されている自転車を見つけてポートまで返却した時は、放置自転車をちゃんとポートに届けたことで、おばあちゃんの荷物を持ってあげたり、道案内をした時に感じるような、良い行いをしたという気持ちになります。
私が感じていることに関しては、運営会社であるソウゾウも意図しているところ、意図していないところどちらもあるかと思いますが、個人的には利用のみならず、
・自転車が取られるかもしれないハラハラ感
・運営側に回った気持ちになるワクワク感
・放置自転車を探して返却する(良い行いをした)達成感
を感じることが出来る、ゲーム性のあるサービスだと思います。
メルチャリのマナー問題
私は普段、B2Bでのサービス提供を行っていますが、シェアリングエコノミーなどC向けのサービスを提供するとなると、ユーザーのマナーの問題が非常に大事なのだろうと感じています。
実際に、ここ数ヶ月でマナーの悪い使われ方がされてないかをチェックして情報を集めてみた結果、メルチャリの私物化というのが深刻な問題になっているという結論に至りました。
LEVEL1:マナーの悪いユーザー
「行きたい場所まで行って、ポート以外のところに乗り捨てる人」
→よくあるマナーの悪いユーザーの行動だと思います。ただ、まだコンビニに寄るなど、一時利用停止機能のようなものはついていないため、単純に立ち寄り先にポートがなく、(例えば買い物中)停めている人もいるかもしれません。
LEVEL2:更にマナーの悪いユーザー
「取られないように(おそらく帰りも使いたいから)有料の駐輪場に停めている人」
→1分4円のサービスなので、駐輪場の駐車料金100円は払いたくありません。博多駅周辺の有料駐輪場に停めてあるのを見かけますが、ちゃんとポートに停めるようにして欲しいですね。一部私物化と言っても良いでしょう。
行きも帰りも使う予定だったけど、予定変更してそのまま帰りは使わない(駐輪料金払わない→放置自転車になる)という人も出てきそうです。
LEVEL3:最悪なマナー違反をしているユーザー
「マンションの駐輪場に停めて使っている人」
→これがめちゃくちゃ多いです。中には敷地に入るのに鍵が必要なマンションに停めて完全私物化している人もおり、そういうマンションに複数台置いてあることもあります。
「会社の敷地内の駐輪場に停めて(もちろんポートではない)いる人」
一般の人が入りづらい場所でもあり、毎日のようにこれで出勤している人もいます(実際、ある会社の駐輪場に毎日メルチャリが放置自転車として置いてある)。
本来、シェアサイクリングサービスは、みんなでシェアをして利用するのが目的なのに、一部のマナーの悪いユーザーによって本当に台無しになっています。
ユーザーがマナー問題の解決策を勝手に考えてみた
では、この問題はどのようにして解決すれば良いでしょうか。ヘビーユーザーの私が勝手に考えてみました。
すでに色々対策は取られているかと思いますが、結論「ユーザーを巻き込む」というのがポイントだと思っています。
●社内スタッフが返却
まず、シェアリングサイクルを行う上でどのような対策方法があるかという話ですが、すぐにでも出来ることだと、メルチャリスタッフが放置自転車を回収してポートに返却するというのが一番分かりやすいと思います。
しかし、物をシェアするサービスの場合、従業員がいくら頑張っても、いたちごっこになりますし、膨大な対応コストが発生します。
これでは根本的な解決策にはなりません。
●ペナルティ
次にユーザーにペナルティを課すというやり方です。実際に、メルチャリ利用規約には下記のような内容が記載されています。
<メルチャリ利用規約>
第5条 ユーザー登録の取消等
【内容】ユーザー登録の取消・利用停止、サービスを利用禁止にすることが出来る
第9条 放置自転車への処置
【内容】費用が発生した場合はユーザーに請求することが出来る
このように、実際に利用規約の中でも禁止事項や注意点について記載されており、GPSでどのユーザーが放置しているのかなど分かると思うので、これで解決出来そうですが、一時駐輪機能が実装されていないので、本当に放置しているのか、買い物などで一時利用停止しているのかなどを加味して考えないといけない分判断が難しく、実際はそこまでペナルティは出来てないのかもしれません。
自転車の放置ポイントなど、マナー違反も含めてマイル管理したり、優良ライダー/悪質ライダーなどスコアリングによるランク付けが出来れば、更にゲーム性出て面白そうですし、問題が緩和されるかもしれません。
●メルチャリユーザーを巻き込む
最後にユーザーを巻き込むというやり方です。
先ほど記載したように、メルチャリの放置自転車をポートに返す行動が、メルチャリを通して良いこと(社会貢献)をしている。という感覚になってきます。
そうすると、ライドチケットに魅力を感じるのではなく「お手伝いライダー」として、自分はメルチャリを一緒に提供している!ということに価値が生まれます。
無料でいつも放置自転車をポートに戻してくれたり、自転車が故障していたらいつも報告をしてくれるようなファンを超えるアンバサダーを作ることで、人的リソースを最小限にしつつ、放置自転車の数を減らすことが出来るのではないでしょうか。
新しい機能がついた時は、SNSで共有してくれたり、周りのライトなメルチャリユーザーに「こういう機能ついたから便利だよ」など話してくれるという効果もあります。
このようなマーケティング手法を「アンバサダーマーケティング」と言いますが、今までのアンバサダーマーケティングって、会社やサービスが好きで自分からどんどん口コミを広げてくれる顧客を増やすというやり方が一般的でした。
ただ、これからは【コミュニティ作り×アンバサダーマーケティング】なのかなと。私みたいなメルチャリが好きなユーザーが集まってオフラインイベントやったり、逆に企業がヘビーユーザーに声掛けてユーザー会みたいなことをやったりとか。
ユーザー側も「大好きなメルチャリを一緒に成長させている、より良いサービスにしている」というのは価値になると思います。箕輪編集室みたいに、お金を払ってデザインしたり、イベントに協力するみたいな、共創がしっくりくるのかなというイメージを持っています。
まとめ
今回は、勝手にユーザーが考えただけなので、もちろん多くの問題もあるかと思いますが、好きなサービスについて色々考えるのって楽しいですよね。
今回はC向けのサービスでしたが、B2Bでも同じようなことが言えると思います。ファンを作って、アンバサダーに育てて、共創していけるように顧客と向き合わなければならないなと感じました。
また、別サービスでも考えてまとめてみようと思います。
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