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ごくごく海水を飲むハト!? 美しすぎるハト “アオバト”に会いに行こう!

連日の猛暑に、私たち人間はぐったり夏バテ気味。
今年のお盆は、エアコンが効いたお家で過ごした人も多いのでは?
そんな中、暑い野外で暮らす鳥たちは、一体どのように過ごしているのでしょうか?
『散歩道の図鑑 あした出会える野鳥100』『となりのハト』の著者・柴田佳秀さんに、8月に見られる野鳥の姿を教えていただきました!
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◆ 美しすぎるハト “アオバト”

黄緑色の体と赤ワイン色の羽が美しいオス。

見てください。世の中にはこんな美しいハトがいるのです。
その名はアオバト

ハトといえば、駅前にいるねずみ色のドバトを連想しがちですが、こんなにも美しい種類がいます。
しかも、日本に棲んでいて、ちょっとしたコツさえ知れば出会うことができるなんて聞いたら、見たくなりませんか?

・ アオバトは森のハト

アオバトがいるのは、北海道から九州までの山の森です。
大きさは33センチとドバトとほぼ同じ。雌雄ともに全身が黄緑色で、オスは翼が赤ワイン色の華やかな装いをしています。

緑色なのにアオバトとは、なんだか変な感じがしますが、新緑を青葉というように、日本では緑を青と呼ぶことに因みます。

◆ アオバトを見るなら海に行こう

山のハトだけど、海で出会える

こんな美しい色のハトならば、一度は見てみたいと思いますが、普段はうっそうとした森の中にいて、体の色が木の葉に溶け込んでしまい、残念ながら見つけるのはそう簡単ではありません。
しかし、そんな観察困難なアオバトも、それほど苦労しなくても観察できる方法があります。それは海岸に行くことです。

山にいるハトを見るのに、海岸に行けなんて変な話ですが、アオバトには、ある時期になると毎日のように海岸に現れる習性があるのです。

ただ、日本全国のどこの海岸でも見られるわけではなく、決まった場所があります。
北海道小樽市の海岸や神奈川県大磯町の照ヶ崎の磯が有名ですが、全国に何カ所かアオバトが海岸に現れるところが知られています。とくに大磯町の照ヶ崎は、たくさんのアオバトが訪れる貴重な場所として神奈川県の天然記念物に指定されています。

・ 海に来る理由

では、なぜアオバトは、海岸に現れるのでしょうか。

それは海水を飲むためです。

海水を飲みにきたアオバトたち

この行動が見られるのは、5月から11月にかけてで、特に真夏の7月~8月は多くの鳥が海岸へ現れます。
例えば大磯では、1日に最大約3,000羽にもなった日があるそうですからビックリです。

アオバトは、海水を飲む時期でも普段は遠く離れた山の森にいます。そこから毎日のように、何十㎞もの距離を飛んでわざわざ海水を飲みに来て、山に帰るのです。

また、海が大荒れの日でも海水を飲みに磯に降り立ち、波にのまれて死んでしまう鳥もいます。ですから、海水を飲むのはよほど切実な理由があるのでしょう。

・ 海水を飲む理由

毎日山から、海水を飲みにやってくる

いったいなぜ、海水を飲むのか--
その理由は、まだはっきりと解明されてはいないのですが、現在、最も有力なのが「水分の多い果物食べるから説」です。

海水を飲む初夏から秋までの期間にアオバトが主に食べているのは、ヤマザクラやノブドウといった水分の多い果実です。
その果実にはカリウムが多く含まれていますが、ナトリウムは含まれていません。そのためカリウムが過剰に体内に摂取され、ナトリウムとのバランスが崩れてしまうのだというのです。

動物の体は、血中にナトリウムとカリウムの双方がバランス良く存在しないと、食べものから水分や栄養を取り込むことができません。
そこで海水からナトリウムを体内に取り入れてバランスを保っているというのです。
ただ、ナトリウムを取り入れるだけならば、そんなにたくさん飲まなくてもという疑念があり、他に理由があるかも知れません。

◆ 9月いっぱいは楽しめます

海上を飛ぶアオバトの群れ

大磯では、9月いっぱいならば1日に1,000羽ほどが飛んで来ますから、まだ観察が楽しめます。
観察のお勧め時間は早朝です。日の出と共に現れはじめるので、少し離れた浜辺で静かに座っていると、次々と群れが飛来しては磯で海水を飲み、飛び去っていく姿を見ることができるでしょう。

青い海を背景に飛ぶアオバトの群れは、本当に美しく、きっと誰もが魅了されてしまうに違いありません。

(文・写真=柴田佳秀)



アオバトの海水を飲む理由、いつか解き明かされる日は来るのでしょうか…!?

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こちらもチェックしてみてくださいね。




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