プロに教わる、トンボが逃げない近づきかた
好評発売中の図鑑、『くらべてわかるトンボ』より、トンボが逃げにくい近づきかたと撮影のコツご紹介します。
図鑑でトンボの名前を調べるときは、撮影してみよう
いろいろなトンボの特徴をくらべて名前を調べるには、写真を撮るのが有効な方法の一つです。特に真横から撮影すると、胸部の模様や尾部付属器といった同定に必要な部分がよく見えます。
加えて上方向からも撮影しておくと、横からでは見えなかった頭部や胸部、腹部の模様や尾部付属器の特徴がいっそうよく見え、他の種との違いがよくわかります。トンボは敏感ですぐに逃げると思われがちですが、いくつかのポイントを押さえれば至近距離から撮影できます。ぜひチャレンジしてください。
トンボに近づく
トンボに限らず昆虫のような小さな生き物を撮るときは、近づいた方がピントが合いやすく、質感がよく写ります。しかしトンボはとても目のいい昆虫なので、不用意に近づくと写真を撮る前に逃げられてしまいます。そこで
大事になってくるのが、低い姿勢でゆっくり、まっすぐ近づくこと。
これもトンボに限らずそうですが、多くの昆虫は横方向、縦方向の動きに敏感な反面、前後方向の動きには比較的鈍感です。そこで接近しようとするときは、あらかじめ低い姿勢をとり、できる限りゆっくり一歩ずつ、そっとそっと近づくのです。
うまくいくと、それまでの敏感さが嘘のような距離まで行けて、手で触れても逃げないほどになり、スマートフォンやコンパクトカメラでもびっくりするほど大きく、そしてシャープな写真を撮ることができます。
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他にも、図鑑の中では「止まっているトンボの撮り方」「飛んでいるトンボの撮り方」などもコラムで紹介しています。
トンボの名前を調べるには、これ以上ないほど最適な一冊となりました。 特に、今までトンボになかなか挑戦できたかった人にはおすすめしたいです。
(オマケ)編集者がスマホでトンボの撮影に挑戦してみた。
トンボに近づくには「低い姿勢でゆっくり、まっすぐ近づくこと」。また「多くの昆虫は横方向、縦方向の動きに敏感な反面、前後方向の動きには比較的鈍感」……。
今まで、トンボをスマホで撮影するのは難しいと思い込んでいましたが、この近づき方をすれば、トンボに近づけるとのこと。そこで、上記に注意して、スマホでのトンボの撮影に挑戦してみました。
なかなか近づけない。
早速、トンボが止まったのを見つけたのでじわじわと、低い姿勢で、まっすぐ近づいてみました。が、トンボって地面など、低い位置に着地することも多い。そういう時は屈んでもあっという間に逃げられてしまいました。
あと人目があるところで、低い姿勢でトンボに近づくのは少し恥ずかしい。不審な人に思われるのではないか。
トンボがそこそこ高めの位置に止まっている時、そしてあまり人目がないときに再挑戦。
近づくことに成功。
これくらい近づくことができれば、図鑑で調べることができそうです!
「くらべてわかるトンボ」で調べてみると・・・シオヤトンボのメスっぽい。でももうちょっと写真が鮮明な方が、調べやすいかも。
コツをつかんできたかもしれない。
こちらもゆっくり低姿勢じわじわで近づくことに成功。これは鮮明に撮れたので、図鑑とじっくり見比べることができました。
シオカラトンボのオスですね!
かなり近づけた!!
とうとうここまで近づくことに成功。スマホでもびっくりするほど大きく撮影することができました。ここまでくると、本当に、全然トンボが逃げない・・・!
サナエトンボの仲間のようですが、サナエトンボは似た種類がたくさんあり、素人が図鑑で探すのは難しいため「くらべてわかるトンボ」の巻頭にある検索表を使って、しぼっていきます。
「オナガサナエ」のオスらしいことがわかりました!
挑戦は続く。
トンボの種類を調べるのは初心者にとっては難しいこともありますが、その分わかった時が楽しい……。もっともっといろんなトンボの名前を調べたくなるのです。秋はトンボをたくさん見かけるので、引き続きスマホでの撮影に挑戦したいと思います。