愛着が生まれる針仕事「ダーニング」で大好きだった服や布をブローチに
【連載第1回】ダーニングの魅力と基本ステッチ
【ダーニングとは】
「繕うこと」を意味する英語で、ヨーロッパの伝統的な衣服の補修方法です。穴があいたりすり切れたりしてしまった部分を補修することで、丈夫に見映えよくお繕いすることができます。目立たないように補修することもできますが、あえて目立つ色の糸を使うことで付加価値が生まれ、新品のときより愛着が湧くのも魅力です。
ダーニングは、ダーニングマッシュルーム、糸、針、はさみがあれば、すぐに始められます。ダーニングマッシュルームがない場合は、おたまやこけしなどで代用することもできます。
【ダーニングの基本(ゴマシオステッチ)】
ゴマのように小さな針目のゴマシオステッチで靴下をダーニング。返し縫いをベースにしているので、丈夫に仕上げたいときにおすすめです。
1 . 靴下の中にダーニングマッシュルームを入れ、ヘアゴムを巻いて固定。ダーニングしたい部分にチャコで印をつけます。
2 . 印から3㎝くらい離れたところから針を入れて印の上に出し、小さく返し縫いをします。このとき玉結びはしません。
3 . 返し縫いを繰り返し、印の端まで縫ったらダーニングマッシュルームを180度回転させます。
4 . 途中で糸がなくなったら、3㎝くらい離れたところに針を出し、2と同様に新しい糸で返し縫いしていきます。
5 . ダーニングマッシュルームをはずし、刺し始めと刺し終わりの糸を裏に引き出ます。それぞれの糸に針を通し、裏に渡った糸にくぐらせて余分な糸を切ります。
6 . すべての糸を始末して完成。部分的に裏からダーニングすることで、みっちりと糸が渡り、かわいいアクセントになります。
【ゴマシオステッチを応用したブローチ】
ゴマシオステッチだけでどこまで遊べるかに挑戦したブローチ。1種類のステッチでも、裏表を逆に縫ったり、糸のバリエーションを増やしたりすることで、さまざまな変化を楽しむことができます。
【さいごに】
いかがでしたか? ダーニングには「こうでなければいけない」というルールがないので、お裁縫が苦手でも気軽にチャレンジできます。お繕いだけでなく、服のアクセントにしたり、ブローチに仕立てたりすることもできるので、まずは手持ちの布や糸で始めてみませんか。次回は、いろいろなステッチを紹介します。