ダーニングのテクニックで作る大胆かつ繊細なブローチたち
【連載第2回】初心者でも気軽にできるステッチ
ダーニングブローチは、大好きだった服や布の切れ端、余った糸などを形に残せるだけでなく、楽しみながらお繕いのテクニックを身につけられるのも魅力の一つです。そんなダーニングのテクニックの中から、初心者でも気軽に始めやすいステッチをご紹介。組み合わせは自由自在なので、唯一無二のオリジナルブローチを作ってみませんか。
【なみ縫いダーニング】
手縫いの中で最も基本となる「なみ縫い」をベースにしたダーニング。裏と表で同じ縫い目になるのが特徴で、数針まとめて布をすくうと効率よく縫うことができます。傷んだ箇所への軽い補強に適していて、あて布を縫いつけたり、ギャザーを寄せたりするときにもなみ縫いを使います。
【ブランケットステッチのダーニング】
縁の傷みを補強するのに適したダーニング。ブランケットステッチは、幅や間隔をそろえて刺すのが一般的ですが、あえて不揃いにすることで心地よいリズムが生まれ、布と糸が馴染んで自然な仕上がりに。伸縮性があるので、セーターやスウェットなどの袖口や裾のお繕いのおすすめです。
【ハニカムステッチのダーニング】
ブランケットステッチをベースに、外側から中心に向かって円を描くように刺していくダーニング。シミや擦れて薄くなったところはもちろん、穴のあいたところに刺すことも。伸縮性があって肌なじみがよく、裏は花火のような点々模様ができるので主張しすぎず、裏表を逆にもできます。
【平行移動ハニカムステッチのダーニング】
下から上に平行移動しながらブランケットステッチを重ねていくダーニング。裏と表で印象が違い、どちらを表にしても見栄えのいい仕上がりに。長方形だけでなく、三角形に刺すこともできます。
【ハニカムフラワーステッチのダーニング】
ブランケットステッチを応用し、花の形のように刺していくダーニング。小さな穴を補強しながらアクセントにすることも。花びらの数を増やし、緻密に刺すことで繊細さを表現することもできます。
【タンバリンステッチのダーニング】
ハニカムダーニングとは反対に、中心から外側に向かって円を描いていく手法で、自在に円を広げることができます。小さなシミの上に刺すときにも使えて、扇形にしたり、裏表を逆にしたりもできる万能ステッチです。
【バスケットステッチのダーニング】
たて糸とよこ糸を交互に渡していく、最もベーシックで伝統的なダーニング。このステッチは、よこ糸を渡しながら布を少しずつ拾って刺していくイングリッシュスタイルで、土台の布と糸がよくなじむのが特長です。
【さまざまなステッチを使ったブローチ】
さまざまなダーニングのステッチを応用したソフトブローチ。中綿を入れ、ふっくらとした仕上がりに。ビーズやスパンコールをあしらったり、あて布にステッチしたりすることで、デザインの幅が無限に広がります。
【さいごに】
いかがでしたか? シンプルなコートやワンピース。そこにお気に入りのブローチをつければ、それだけで気分が高まります。ダーニングはやってみたいけど、自分で繕った服を着るのはちょっと照れくさい……と思っていた方でも、ブローチならバッグや帽子にもつけられるのでおすすめです。次回は、コーディネートを格上げするダーニングブローチの合わせ方をお届けしますので、お楽しみに。