『町田忍の銭湯パラダイス』発刊記念! 銭湯研究の第一人者に学ぶ「銭湯がもっと楽しくなる」3つのキーワード
気がつけば冬本番。温かいお風呂が身に沁みる季節になってきました。毎日のお風呂タイムが楽しみ!という方も多いと思いますが、たまには大きなお風呂に・・・そう、ご近所の銭湯に足を運んでみてはいかがでしょう。
広々とした湯船につかって、心身をリセットする、ビリビリくる熱つ湯にさっと浸かってシャキッとする、風呂上がりにグビリとフルーツ牛乳を飲む、常連さんと交わすちょっとした会話など、銭湯の楽しみは尽きません。
そんな銭湯の魅力を凝縮した書籍『町田忍の銭湯パラダイス』が、現在好評発売中です。銭湯研究の第一人者・町田忍さんによる本書は、数々の銭湯本を出版し、日本銭湯文化協会理事としても活躍中の氏ならではの視点で、従来の銭湯ガイド本やネット情報にはない視点で銭湯を紹介しています。
昭和的ひなびを感じさせる歴史的ビンテージ銭湯、いまどきスタイルのリノベーション銭湯、建築様式、富士山でおなじみのペンキ絵など、銭湯にまつわる充実の雑学コラムまで、銭湯のすべてをギュッと詰め込んだ一冊です。
・・・ということで、『町田忍の銭湯パラダイス』から、銭湯の楽しみ方を「3つのキーワード」で紹介していきましょう。
【キーワード1 宮造り銭湯】
神社仏閣のような、立派な瓦葺きの「宮造り銭湯」は、東京ならではの様式。「ザ・銭湯」という存在感ゆえ、テレビドラマやCMにもよく登場します。先のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で、ヒロインの永浦百音が東京で暮らした「汐見湯」の外観といえば、ピンとくる方も多いでしょう(ドラマに登場したのは本書でも紹介している東京都大田区の明神湯)。
宮造り銭湯のルーツは関東大震災まで遡りますが、本書では、宮造り銭湯が東京の特徴的な銭湯様式になった理由や、町田氏が選ぶ宮造りの名銭湯を紹介。宮造り銭湯を訪れる際は、その歴史に思いを馳せつつ、凝った建築様式にも目を向けてみてください。
【キーワード2 ケロリン】
銭湯といえば、プラスチックの黄色いケロリン桶! 全国津々浦々の銭湯で、当たり前のように出会う(遭遇確率はなんと90%以上!)ケロリン桶ですが、そもそもケロリンてなに? いつ頃から存在しているの? と気になりません? 本書を読めば、ケロリン桶の歴史と知られざる!? トリビアがわかります。
【キーワード3 ペンキ絵】
銭湯といえば、壁一面に描かれた富士山のペンキ絵が思い浮かびます。でもこの富士山の絵、全国どこにでもある、というものでもなさそうです。その歴史や、そもそもなんで富士山だったの? という理由など、ぜひ本書を読んで「ほほう!」と頷いてみてください。
これ以外にも、江戸時代の銭湯の様子が詳しく分かるジオラマや、町田さんセレクトの「いま訪れるべき東京銭湯12」「地方のゲキシブ銭湯10」、町田さん直筆の銭湯イラストコレクション、きっと誰かに話したくなる銭湯うんちくコラム、ストイックなる「熱つ湯の世界」など、楽しく読めるページ満載です。
本書のなかで、著者の町田さんはこう語っています。「銭湯は日常のなかの非日常。体の汚れを落とすだけじゃなくて、精神面のリラックス効果も大きい」と。
なにかとストレスが溜まりやすいご時世、いまこそ銭湯の癒やし効果が必要なのではないでしょうか。この本を読めば、あなたはきっと銭湯に行きたくなる。そして、銭湯の魅力や楽しさに気がつくはず。そして、銭湯のことがもっと好きになるはずです。