プロが伝授! 愛猫を自然な表情でかわいく撮るコツ
ヤマケイのねこカレンダーの中でも超定番・カレンダー2023『ほのぼの子ねこ』が今年も発売中です。「見ているだけで癒される」と、毎年購入する方も。このカレンダーファンも多い子ねこを撮り続けている動物写真家の福田豊文さんに、愛猫を自然な表情でかわいく撮るコツを教えてもらいました。
——『ほのぼの子ねこ』は、毎年かわいくて癒されるとファンも多いカレンダーです。この子ねこの写真はどのように撮っていますか?
大判の白いロール紙を敷いて撮影しています。妻が猫じゃらしを持って、遊ばせながら撮っていますが、カメラマンによっては自分であやしながら、片手でシャッター切っている方もいます。
——ねこの種類によって、特徴や動き方に違いはありますか? 撮るのが難しいというねこの種類がありましたら教えてください。
アビシニアン、ロシアンブルー、トンキニーズなど短毛種は、ものすごい元気! 跳んだり跳ねたり、撮るのは難しいけど、躍動感あふれる動きをしてくれるので楽しいです。
ラグドール、サイベリアン、ペルシャなど長毛種は、成猫になるにつれドッシリとして大人しくなりますが、子猫のときはやはり元気で活発です。
——最近は、自分の飼っているねこの写真をSNSにアップする方が増えてきました。また、愛猫をアルバムにするという人もいますが、なかなか上手く撮れないという声をよく聞きます。そこで、愛猫を自然な表情でかわいく撮るコツを教えてください。
プロでなくても、愛猫を自然体でかわいく撮るコツがありますので、お伝えします。
【かわいく撮る3つのコツ】
1、ローアングルで口元を見せる
口元が見えるとかわいいです。ねこの顔より下からのアングルを狙うと、口元が見えて、かわいさが強調されます。
2、光源を利用してアイキャッチを入れる
アイキャッチの入った写真は、瞳が活き活きとして、可愛さがより強調されます。私はストロボをたいてアイキャッチを入れていますが、ご自宅の照明や、LEDの照明器具などを利用してもより自然な表情が撮れます。その際、光源を直接当てずに、間接照明にして光を当てることがポイントです。
照明を直接当てると、瞳孔が細くなり、愛らしさが半減します。白い薄い布や紙などで光源を覆い、ソフトにした光を当てることで、違和感のない自然な表情を捉えることができます。
3、猫じゃらしを使って遊ばせながらシャッターを切る
できれば2人で撮影できるといいですね。私はねこにあまりカメラを意識させたくないので、ねこの顔に近づいて撮影することはありません。妻に猫じゃらしで遊んでもらい、その様子を少し離れたところから望遠ズームを使用して撮っています。
——ねこが横になっていたり、ゴロンと転がっている写真はとてもかわいいですよね。思わず笑みがこぼれます。こんなふうに、自然体にねこが寝そべっていたりするような写真はどうやって撮っていますか?
これも猫じゃらしを使っています。今、ペットショップやホームセンターに行くと、輸入品も含めたくさんの種類の猫じゃらしが売られています。音が鳴ったり、光ったり。中には猫じゃらしを専門に手作りされて、数千円で販売されているものも。特に子猫は猫じゃらしで遊んでくれますので、いつも何種類かは用意しています。
——自然体のねこを撮りたくても動きがあるとブレてしまうことが多く、上手くいきません。動きのある猫を撮る時、カメラの設定はどのようにしたらいいのでしょうか?
自然でより動きのあるねこの写真を撮ろうとするなら、シャッタースピードを1/1000秒などの高速シャッターにするのがポイントです。室内が暗ければ、ISO感度を出来る限り上げて、トライしてみるのもいいでしょう。
——2023年もずっと眺めていたくなるようなかわいい子ねこ写真がいっぱいのカレンダー。オススメの月を教えてください。
これはやっぱり表紙にも使った11月のアビシニアンですね。カメラ目線で正面に向かって走ってくるという写真は、ずっと撮りたくても撮れませんでした。2~3メートル離れた床にカメラを置いた状態で撮影。70-200mmのズームレンズを使用して、やっと撮れた1枚です。子ねこが走るスピードは速いですからね。こういう写真はこれからもなかなか撮れそうにないと思います。
毎年撮り下ろされて、厳選されたかわいい子ねこの写真がカレンダーになっています。『カレンダー2023 ほのぼの子ねこ』好評発売中。