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四半世紀をへて山溪ハンディ図鑑『日本の野鳥』が大改訂! その中身は…

11月14日、山溪ハンディ図鑑『新 日本の野鳥』(著者:叶内拓哉、安部直哉、上⽥秀雄)が発売しました。

1998年の初版刊⾏から四半世紀以上が経ち、今も多くの方に支持いただいているロングセラーの野⿃図鑑です。

これまでに読者の皆さんからは
「写真が多くて分かりやすい」
「夏と冬で羽毛がどう変わるかがしっかり写真で載っていて便利」
「雌雄や幼鳥、亜種まで詳しく解説されていて助かる」

といった声をいただいています(ありがとうございます)。

今回で4回目の改訂となりますが、どんな点が変わったのか、今日はその中身をご紹介します。

①最新の分類『日本鳥類目録 改訂第8版』に準拠

今回の改訂のいちばんの契機です。『日本鳥類目録』とは、日本で記録されたすべての鳥類を列挙し、各種の分類上の位置付けや生息状況を明らかにしたもので、日本鳥学会がその第8版を2024年9月に公表しました。
本書もこの最新の分類に基づいて種の並びや解説を見直しています

キビタキの亜種から独立種になったリュウキュウキビタキ。今回はキビタキとは別に、単独で紹介しています。
本書の巻末では、以前の分類からの変更点についても、まとめています。

②写真は、全体の3〜4割を変更。900点近い写真を追加・更新。

以前の版では、一部の写真が鮮明さを欠くとのご意見もいただいておりました。今回は、全体の3〜4割にあたる900点近い写真を追加・更新して、ページの刷新を図りました。

雄と雌、夏羽と冬羽のちがいに加えて、幼鳥や飛翔時の写真も充実。

⿃は、年齢や性別、季節に応じて、⾒た⽬がしばしば変わりますが、それぞれの種の多様な姿を写真で詳しく紹介しているのが本書の特徴です。

今回は、写真を増やし、幼鳥や季節ごとの羽衣の写真がさらに充実。観察に役立つ鳥の行動や鳴き声、見た目の特徴も丁寧に解説しています。

③約360種について、鳥の鳴き声がスマホで聴ける!

こちらも今回の改訂の大きなポイントです。
1998年の初版刊行当初は別売りのCDで鳴き声を提供していましたが、今回はスマホやタブレットで鳴き声を手軽に聴けるようにしました。

本書の鳴き声担当の上田秀雄さんによる、背後のノイズ(水や風の音、他種の声など)が除去されたクリアな鳥の鳴き声を、各種のページに掲載の2次元バーコードを読み込んで、聴くことができます。

各種のページに掲載の2次元バーコードをスマートフォンなどで読み込むと、鳥の鳴き声を聞くことができる。珍鳥・迷鳥などを除いた約360種の鳥について、600以上の鳴き声データを収録。

④より詳しく、よりわかりやすく、よりきれいに

ページ構成も見直しました。種によっては2分の1ページから1ページに、あるいは、1ページから2ページに拡張し、写真や解説が大幅に充実。
より特徴がわかりやすい写真に変更した種、識別に役立つと思われる写真を追加した種も多く、さくいんなどを除いた図鑑部分のページ数は、旧版の635ページから676ページへと41ページ増えました。

クロツグミは1ページから2ページに変更。写真も4点から8点に倍増し、幼鳥や季節違いの羽衣の写真がさらに充実。

⑤外来鳥も項目を立てて紹介

これまで外来鳥はコラムで簡単に紹介する程度でしたが、ガビチョウなどをはじめ、バードウォッチングしていればふつうに見られるもの。そこで今回は、ほかの種と同様に(ただし日本の野鳥とは異なるデザインで)紹介することにしました。

外来鳥のページは地色を敷いて、見出しに「外」のマークをつけています。

このほか、外部の有識者の方々にもご協力いただき、全体的に写真や写真解説の見直しを行なっています。また、本文解説などについても、よりわかりやすくなるよう、表現を見直しています。

ぜひ書店などで手に取って、中身をチェックしてみてください!