【報告 9月議会一般質問から~コウライオヤニラミ】
現在開会中の、宮崎県議会9月定例会で一般質問に登壇しました。
質問でのやりとりを、随時ご報告させていただきます。
今回は、コウライオヤニラミについて。
国内で唯一、大淀川で確認されている外来魚「コウライオヤニラミ」にかかわる一般質問について、本日の夕方のニュースで取り上げていただきました。地元の貴重な在来種を脅かす恐れもあり、早期の封じ込めが必要です。県としても迅速に対応いただいていますが、国の特定外来生物に指定されると、より重い罰則が科されるほか、国としての対策・予算も加わることが期待されます。宮崎の大切な生態系を守るために、拡大を防ぐために、今後も注視してまいります。
UMK
https://www.umk.co.jp/news/?date=20240918&id=25126
NHK
https://www3.nhk.or.jp/.../miyazaki/20240918/5060019332.html
【山内】
皆さんは、「コウライオヤニラミ」をご存じですか。
現在、国内で唯一、本県の大淀川で確認されている外来魚です。
本日の宮崎日日新聞1面では、環境省が昨日、生態系に被害を及ぼしている外来生物を載せる「生態系被害防止外来種リスト」の中に、コウライオヤニラミを追加する候補として検討を始めたが紹介されました。
本来は朝鮮半島原産ですが、日本では観賞魚として1匹数万円から数千円程度で販売され、人気があるようです。
しかし、2017年には国内で初めて本県の大淀川で確認され、今年6月24日の宮崎日日新聞で、「コウライオヤニラミ、大淀川でまん延」との記事が掲載されました。
京都大大学院情報学研究科の辻冴月(つじ・さつき)助教、北九州市立自然史・歴史博物館の日比野友亮(ひびの・ゆうすけ)学芸員を含む研究グループが調査し、論文を公表したとの記事でした。
その高い肉食性から、外来種を脅かしかねないと、専門家の間でも強い危機感を持って受け止められたようです。
はじめに、
外来魚「コウライオヤニラミ」の生息状況と、本種の分布が拡大した場合、内水面の水産資源等へどのような影響があるのか、農政水産部長に伺います。
【農政水産部長】
コウライオヤニラミは、本来は、国内に生息しない朝鮮半島原産の外来魚であり、観賞用として飼育されていたものが放流されたことにより、県内河川に侵入したのではないかと推測されます。
平成29年に国内で初めて、大淀川支流の萩原川で確認された後、令和3年の調査では、萩原川における生息数の増加を、本年7月の調査では、大淀川上流域の広い範囲に分布が拡大していることを確認したところです。
強い肉食性であるコウライオヤニラミの分布が拡大すれば、従来から河川に生息する魚が捕食され、内水面漁業にも影響が生じることが懸念されます。
【山内】
早期の封じ込めが大事だと思います。
そこで、
コウライオヤニラミに対しての県のこれまでの取組と、今後の取組について、農政水産部長に伺います。
【農政水産部長】
コウライオヤニラミの県内でのさらなる分布拡大を防ぐには、まずは、生息が確認されている河川での増加を抑制する必要があります。
このため県では、関係漁協と対応を協議し、昨年9月に、萩原川において、駆除を実施したほか、内水面漁場管理委員会は、漁業法に基づき、本年8月に、生きたままの持ち出しと、県内河川への放流の禁止を定めた指示を発出するとともに、県が、釣具店への訪問などにより、指示内容の周知を図っているところであります。
今後は、駆除を継続しながら、分布状況の監視を強化するとともに、駆除の効率を高めるため、大学などと連携して、生態の把握などにも取り組んでまいります。
【山内】
論文や発表を受け、県が現在できる限りの対応に迅速に取り組んでいただいた姿勢に心より感謝いたします。
本日報道があった「生態系被害防止外来種リスト」の追加候補も、大きな前進ではありますが、まだ国の特定外来生物に指定されておらず、あくまでも県の予算と権限内での対応にとどまっているのが現状です。
指定されていない外来生物へ対応できる国の制度・予算といったメニューは現在のところない、とも聞いております。
特定外来生物の指定を受ければ、3年以下の懲役・300万円以下の罰金、また輸入業者など法人の場合は1億円以下の罰金を科されるなどより罰則が強化され、国の予算・対応が受けられる期待も高まります。
そこで、
コウライオヤニラミの特定外来生物への指定を、国に対して求める考えはありませんか。
また、本県で封じ込めるために、国にも対策や連携を求める考えはないのか、環境森林部長に伺います。
【環境森林部長】
特定外来生物は、外来生物法に基づき、外来種のうち、生態系や農林水産業等へ被害を及ぼすもの、またはその恐れがあるものの中から、指定された生物であり、現在、162種が指定されております。
特定外来生物の放出や移動等は、法律により禁止されており、違反した場合、重い罰則が科せられることから、特定外来生物への指定は、生息域の拡大抑制に有効であります。
コウライオヤニラミの生態系や内水面漁業への影響に対する懸念については、環境省と情報共有しており、来月にも正式に、特定外来生物への早期指定について、要望することとしております。
また、指定されるまでの間、生息域の拡大を抑制する対策についても、環境省に協議等を行ってまいります。
【山内】
特定外来生物の早期指定に向けて、来月にも正式に県として要望されるとのことが確認できました。都道府県レベルで指定を求める要望を行うことは、これまでになかなかないことだとも聞いており、その御英断に敬意を表します。
また、指定される場合でも、指定までに数年かかると聞いています。
国、県として具体的な対策費もしくは調査費の確保や、現在研究や調査を行っている研究機関と連携し、専門家による助言や共同研究等についても、ぜひご検討いただくよう要望します。