幼少の頃について
不調は赤ん坊の頃から始まっていた。
聞くところによると、よく泣く、食べない(飲まない)、問題児であったそうな。
カリカリに細いものの顔だけは丸いおかげで、なんとか健康児を装うことができていた。
幼児になってからも、不調は続いた。
すぐにお腹が痛くなる。
家族の風邪を全てもらう。
予防接種を受ける度に高熱を出す。
この上、食べるのが嫌いな子であったのだから、母は気が気でなかったであろう。よく生き延びられたものだと自分でも感心する。
この食に興味のない様は実に子供らしくなく、さっぱりしたものばかり好み、脂っこいものは受け付けず、生クリームの多いケーキは好きなのに三口目から嘔吐くという、ストレスに塗れた中間管理職のおじさんのようであった。
これに加え、こっそり塩を舐めるという、いささか妖怪じみた趣味もあった。
こんなに育てにくい子を育ててくれた両親に、改めて感謝したい。