"群青日棋"内山女流初段⑤「終盤におそれはない」
前回指了図の△35歩からは、
最強の手(=最速の手)以外は許されない展開。
騎虎の勢いでお互いの駒が激しく火花を散らし合う…玉頭戦である。
△36歩▲同金△同角成▲47銀打…
この辺り、内山は形勢に自信を持っていたようだ。「先手先手で攻めているので、いけそうかな〜と。」
相手は超トップ女流の福間だが…?
「あんまり、気負いとかプレッシャーとかは感じないタイプで、この時も盤上に集中出来ていたと思います。」
棋士は様々な感情を必死に振り払って
"盤上没我"の境地を目指すものだが、
内山は自然体のままでその境地に近いところにいるのかも知れない。だとすればそれは彼女にとって大きな武器であろう。
内山は5分の考慮でさらに激しく馬を切り飛ばした。
歩の連打で銀を吊り上げて、△36金と攻めの手を緩めない。
しかしこの手は実は非常に怖い手。▲25歩と玉頭を攻められ、その後一気に王手ラッシュで逆に追い込まれるのが目に見えているからで、この当然に予想される先手の猛攻を後手が凌ぎ切れるか、筆者も瞬時には判断出来ない…
内山は「この辺りはかなり先の方まで読めていたと思います。凌げている気がしていました。」
思わず"終盤には自信がある?"と聞いてみると、
「うーん。そうですね…
終盤におそれはありません。」
怖いものなし!の19歳内山あや、
トップ棋士福間香奈の猛攻を凌げるか…?(続く)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?