推薦入試のススメ 高3生にメッセージ。
私は現在,中学校教諭として働いています。4年間働いて「ずっと」生徒に話してきた話があります。誰かの役に立てばと思い,noteに投稿させていただきます。
高3の夏の出来事
高校3年生の夏休み,私は自分の進むべき道についてかなり考えた。自分は何者なのか?何をしたいのか?何のために勉強をしているのか?自問自答の日々。
とりあえず,地元の国立大学でもいければいいかな~なんて思っていた。うーん,自分は理系かな?そうなると工学部か理学部か…とオープンキャンパスにも行ったけれどもあまり興味が湧かない・・・入試倍率でも探ってみるかーと思って調べたら,まあまあな倍率!これは落ちるなーと思った。楽して合格できないか?とめちゃくちゃ考えた。
高校受験の話。
そういえば,大学入試にも推薦入試があるのでは?と考え付いた。そういえば,高校も推薦で合格したじゃないか!
基礎知識として,長野県の高校入試は,前期選抜と後期選抜がある。前期選抜は面接と志望理由書(かなり調査書のウエイトが高いことを教員になって知るが・・・)で,後期選抜は5教科の試験と調査書(最近は面接試験をするところも増えてきている)の試験だ。
中学校3年生の私の一番の問いは,誰よりも楽をして(勉強をせずに)高校に合格するには?だった(今思えば非常に惜しいことをしていると思っているが・・・)。というわけで勉強せずに合格するにはどうすればいいのか,導き出した答えは前期選抜だった。勉強よりも人と話すのが好きなのだから絶対合格すると思って受験したら受かった(詳しい話は機会があればnoteするが,倍率はたしか2.94だったかな?)。このときの成功体験(?)を大学受験に活かせないのかと考えたのである。
「1.0倍」の衝撃
さて,推薦入試のことでも調べるかと一気に調べつくした。そこで衝撃的な事実がわかったのだ。なんと推薦入試の倍率が「1.0倍」(募集人員2名のところ志願者2名合格者2名)のところを見つけてしまったのである。さかのぼってみても高々1.5倍。これってもしかしたら受かるんじゃない?。しかし,出願するにはいくつかの基準がある。とりあえず担任にすぐに確認。自分の成績は5段階中4以上であるのか,学校長推薦をいただけるかどうか・・・返事はOK。その瞬間「受かったー!」とまだ何もしてないのに心の中でガッツポーズをした。
自分の将来を考える
倍率1.0倍=100%受かるという等式。そんなわけないじゃんと思うかもしれないが,事実だ。地元の国立大学。学科は教育学部。学科は技術。とりあえず,受けてみるかということでしたが,ちょっと心が引っかかっていた。「おれ,教師になるの!?」ということだ。いろんな人に相談をしながら考えて,「とりあえずなるってことで考えるかー!」ということで準備を進めていく。
受験準備の中で自分の未来を考える
受験に向けてどんな準備したのか具体的に挙げていくと,
①教育に関する本を読み,自分の意見を800字くらいにまとめる
②自分の志望理由書をかきまくること
③面接練習を学校の先生としまくることだ。
①についていえば,実はそんなに本を読んでない。たしか3冊だけ。しかし,実りがある学びができたと思っている。教師になるということはどんなことなのか,現代の教育の問題は?など真剣に考えた。
②では,①の考えも含めて自分がしたいことを明確にする訓練をした。担任の先生に本当にお世話になり,文章力が急上昇したと思っている(いままでがクソすぎだっただけ・・・)
③面接練習はお願いできる先生すべてにお願いをしてやってもらった。結果としてほとんど全員の先生が面接練習に付き合ってくれた。めちゃくちゃ感謝している。友達とも練習した。ありがたかった。
受験準備を進めていく中で,ホワイトウォッシュだった思いが本物になっていくことが自分でもよくわかった。「よし,教師になるぞ」
受験会場へ
気がつくと,受験会場へ向かっていた。電車で2時間かけて大学へ。待合室での緊張感。そして、学科ごとの待合室へ。ここで事件が起きた。なんと僕しかいなかったのである。「え?もしかして今年は0.5倍か!?」と思って待っていたらぎりぎりのところにもう一人登場。試験監督の先生が「今年は2名です。面接がんばってくださいね。」とたどたどしい日本語で応援されて受験会場へ。つまり今年も「1.0倍」であった。この時点で勝利宣言。心のなかでガッツポーズ。30分間の面接。めちゃくちゃ緊張したけどなんとか終了させて善光寺で合格祈願。
合格発表は・・・
一週間後に合格発表。言い忘れたが,受験番号が1番だったので,この時点で受験者が少ないことがわかっていて,合格は確信していた。合格発表はたしか13時にネットで発表だったのでドキドキしながら待っていたら,友達が「おまえ受かってるぞ!」と教えてくれた。内心「おれよりも前に見るな!」とは思ったけれど,めちゃくちゃうれしかった。今度こそガッツポーズ!お世話になった先生方,友達にひたすら感謝して回った。
結局何が言いたいのか?
結局何が言いたいのか・・・
私が言いたいことは,
①推薦入試って方法もあるということ
②合格してからが大切ってこと
③教育学部は超穴場ってこと
①国立大学の推薦入試ってあまり知られていないと思います。同期に推薦で入ったよーっていうと「そんなのあるの!?」って言われます。センター試験も受けずに合格できる裏道を多くの人は知りません(ちなみに私は受けました)。入ってから苦労するって思われるかもしれないけど,そんなことありません。みんな苦労します。
②合格してからが正直大事です。周りからお前はいいよなーってめっちゃ言われます。だからめちゃくちゃ勉強してやりました。そういう言葉もプラスに使いましょう。大学に入学してからも人並み以上に努力したかなーもっと勉強しておけばよかったと思うけど,入ってから勉強すりゃいいのでがんばれ。
③教育学部は穴場です。もう教員になりたいという人自体が減っています。自分で調べているとわかりますが,倍率は非常に低いです。ブラックな面が表面化しているけれど,改善に向かっていると思います。高3の君が教員になるまであと5年はある。けっこうよくなると思うから,考えてみては?
最後に,昨年の推薦の倍率は「0.0倍」でした。