「ローカル鉄道を撮る」ことに人生を捧げるひとがいる。
ゲストについて
今回のゲストは、播但線愛好家・藤原賢吾さん。
兵庫県の中央部を南北に走る、JR播但線を撮り続けて20年以上。このジャンルのパイオニアと呼ぶべき存在で、ブログやInstagramの発信を通して広くファンを集めるインフルエンサーです。
今回のトークライブでは、そんな藤原さんの「くらしとしごと」を深堀り。
活動を始めたきっかけ
播但線を撮り続ける理由
活動と家庭とのバランス
「撮り鉄」や「乗り鉄」をめぐるメディアの問題
今後の抱負
地域への想い
などを熱く語っていただきました。
(トークライブ「くらしとしごと #15」 配信日:2023年4月8日)
活動のルーツ
原風景は、従兄弟との楽しかった思い出とディーゼル車が走る景色。
24歳の春。趣味らしい趣味もなく(本人談)、どこか虚しさを感じていた元カメラ小僧の藤原さんは、かつて沿線を走っていたディーゼル車が姿を消していることに気がつき、ハッと思い立ちます。
「見慣れた景色はいつまでもあるわけじゃない。今、この瞬間を撮って残さないと!」
今でこそ播但線沿線は撮影スポットとして定着している感がありますが、藤原さんが活動を始めた当初は、そんな人は皆無。地元住民に不思議がられながら、ある種の使命感に駆られた独自の撮影活動を単身スタートさせたのでした。
「普通の人は他のものに興味が向いていくものかもしれないけど、自分は取りつかれたまんま(笑)」
この風景と、鉄道の魅力はそれだけ奥深いのだと思います。
「地域におじゃまさせてもらっている」
今ではすっかり地元でも知られる存在となった藤原さん。
「畦、入らせてもらいますねー」
「おう、気つけて撮れよー」
あくまで”よそ者”である自分たちを受け入れ、応援してもらえることのありがたさ。
「地域におじゃまさせてもらっている恩返しがしたい」「地元の人に、地元にこんなに良いシーンがあるんですよって見せてあげたい」
そんな想いでスタートし、今も毎年続けているのが、作品の無料展示会。じっさいに、展示を観に来られた地元のかたから「これどこで撮ったん?」「この風景も捨てたもんじゃないな」と言われることも多いそう。
「自分たちの風景を再認識してもらえる。そこから、地元の播但線って大事なものだと気づいてもらえたら。」
ひょっとすると、地元に暮らす人よりも、地元の風景を愛するファンでありメッセンジャーといえる存在なのかもしれません。
まとめ
「スタイルを変えずにやり続けること」が目標だと語る藤原さん。
20数年前、自分たちが撮り始めたスポットが、今では週末ともなれば写真愛好家が集う定番スポットになるなど、輪を広げ、ひとつの文化を作った手応えも。
年月を重ねるごとに深みを増す独自のアート表現。地方都市を静かに走る列車とその風景に、これからも彩りを添えてゆくはずです。
Information
藤原 賢吾(ふじわら けんご)
Instagramで作品を公開中📷
@bantanhamakaze
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