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9.3. 地球の仲間:さいごで、はじまりの言葉

この「地球の仲間」シリーズのテキストは、自分たちの存在や暮らしについて、地球との関わりを考えてもらうことを目的としています。日本や世界の各地にジオパークがあり、それぞれの地域に独自の地質遺産があります。しばしば、その独自性を強く主張するジオパークがあるのですが、それは地球という観点からは、適切であるとは思えません。各地域の地質遺産は、地球の働きのごく一部であって、地球を代表している訳ではないからです。一方、この地球に生きている私たちや共に生きている生き物たち、そして地質遺産でさえ、地球全体の働きによって生かされており、また私たちの存在、生きて活動していることが、地球全体に影響を与えています。各ジオパークにある地質遺産は、地球を理解するための入り口(あるいは窓)に過ぎません。そして、地球を理解するための入り口は、地質遺産だけではなく、生物多様性だったり、地球温暖化だったり、災害だったりします。私たちをとりまく様々なできごとも、そんな入り口の1つです。本シリーズでは、私たちと地球を結びつけるいくつかのテーマを選びました。地球の働きによって、今を生きる私たちがあります。私たちは地球において大地や太陽や水や空気を与えられています。私たちは、自分たちだけで単独に存在しているのではなく、動物や植物、岩石や土壌、河川や海など私たちを取り巻く環境そのものに生かされてことが次第に分かってきたと思います。現在、私たち人間が排出する温室効果ガスにより、地球環境が悪化しています。気候変動などにより洪水や干ばつ、山火事などによって、多くの人々が被害を受けています。それに加えて、人間同士の争いによって、世界は大きく変わろうとしています。地域に暮らす非力な私たちにもできることがあるはずです。それを探して実行する足がかりとして、私たちと地球の関わりについて、学ぶことは決して無駄ではないと考えて、本シリーズを作成しました。このシリーズはこれで終わりますが、これは皆さんのこれからの活動の始まりでもあります。みなさんの一人一人に地域の未来、そして地球の未来がかかっています。新たに、学び、考え、行動してくれることを心から願っています。ご愛読ありがとうございました。

地球の未来をつくる仲間たち