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【空手】黒帯と十人組手【是か非か】

こんにちは。
今日も空手、キックボクシング、ボクシングを愛する無拳流空手道青山道場代表の山口です。ちなみに組技も好きですが向いてなさそうです。
MMAはマックス・ホロウェイが一番好き。GSP永遠のリスペクト。

さて、今日は黒帯と十人組手です。
うちの道場でも設立時からずっと20年やってきています。

自分自身は、その前の流派でも自分自身二度ほどやってきましたし(フルコン+投げ有り)、最近だと昨年は違うルールでチャレンジしました(顔面寸止め+ライトコンタクト+投げ)。

黒帯を取る時に「10人連続組手」をやる。
この文化って、フルコンタクト系かなと思うのですがいかがでしょう?

自分の場合は学生の時の硬式空手(顔面あり)では、10人組手は無かったと記憶しています。

◯10人組手との出会い
しかし社会人になって、フルコンタクト系(投げあり)の流派に入門して、十人組手を初めて見た時には衝撃を受けました。

あまりの激しさにびっくりしたのと、同時に(これでタフネス以外の何の実力を測るのだろうか・・)と素朴な疑問を抱きました。

その後続けていくうちに、本当のガチではないけど、受験者をしっかりと追い込んで情緒に訴える「プロレス」的なストーリーが当人たち同士の中に存在していることが分かりました。

最終的にはボロボロになって10人分を戦い続ける受験者の姿に、入会以来積み上げてきた数々のドラマがあぶりだされ、周囲も感動がこみ上げていき、最終の10人目で精魂尽きつつ拍手喝采を浴びて幕を下すという、ある意味約束されたセレモニーだと理解していくことができました。

◯10人組手の効果
もちろん黒帯を目前に控える実力であれば
相応の技術力や試合経験なども積まれています。
試験でもその技術は発揮されてこそ、というのももちろんあります。

うちの道場では、技術をまったく発揮できずに疲弊していくだけの受験者に、途中で失格を出したことが何度かあります。技術力もだせず、ただ我慢をするだけの試験はとても危険ですし、そもそもの審査という性質に照らし合わせれば「やむなし」ということになります。

そういった前提もしっかりと共通認識できた上での「10人組手」は、やはり昇段者にとって、またその家族や仲間にとっては、とても演出的にも優れた「最後の砦」となっていることは間違いありません。

やはりタフネスを要求されるので、試験の一年前、半年前からしっかりといつも以上のトレーニングを課すようになります。

10人組み手へのチャレンジ精神と
それ以上に「KOされるんじゃないか」という恐怖から、
技術、体力、メンタルを必死に鍛えに鍛えまくらなければなりません。

なので、10人を乗り越えるべく、心技体向上するきっかけになるというのは間違いありません。

◯10人組手文化とは何か
正直、自分のような軽量級からすると「無差別級文化」だなとは思ってきました。

まぁ「小能く大を制す」という言葉も、やはり軽量級にとっては気持ちの良い響きではありますが、この「無差別級文化」の弊害はけっこう大きいのではないかと思います。

よほど大きな道場でなければ、小さな人間が10人組手やろうとしたら、自分より大きな人間たちとの連続組手をしなければなりません。
反対に大きな人間は、自分より小さな人間との連続組手となります。
フェアでしょうか?

もちろん自分は今となっては「既に通り過ぎた道」ではありますが、こういう状況に対して、自分の仲間の軽量級や女性たちの中には、夢を持てずに諦めてしまった人も少なくありません。

"所詮そういう人間はそこまで"

そうやって割り切るのは、ちょっともったいないかなと。。。

体格や体重については
また改めて別のコラムで書きたいなと思いますが

フルコンタクト空手の足を止めて
顔面パンチなしで打撃を交換する10人組手
(※自分がやってた投げありフルコンは、掴んで固定しての膝蹴りなども多く、それもかなりタフです)

やはり敷居が高いのと
キックやMMAが根付いてきている今
現代の人、これからの人、そして体格の小さい人には、中々魅力的には写りづらいのではないかと思います。

うちの道場では、今は顔面寸止め、ライトコンタクト、投げありというルールでの10人組み手に移行しています。

そうすると間違いなく、持続するフットワーク力が必要ですし、肉弾戦ではなく、神経も消耗する間の制し合いになります。

若い子たちがK-1やRISEのアマチュアのチャンピオンになっていますし、実力もしっかりとつけていける環境です。

まだまだ試行錯誤は続きますが、10人組手はいいといえばいいんです。

あくまでもうちの道場の考えではありますが、やり方とか価値観の調整はしていきたいなと思っています。

多くの人がやりがい、乗り越えがい、意味を見出せる10人組手、
黒帯の取得をしてもらいたいと思っています。

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