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【武尊選手に出逢う】K-1&RISEアマチュア全日本王者の秘密②【憧れる大切さ】

前回は「テクニック至上主義」(厳密にいうとテクニック愛好主義)について書きました。

今回は「憧れの存在」の重要性です。
しかも、実際に"憧れに出会う"ことを本当に大切しています。

うちは東京の青山地区(渋谷・表参道・代官山)でインターナショナル感あって、3歳から60歳まで空手を楽しむファミリーユースな空手道場です。

特に外部の空手大会や連盟参加などには全く興味を持ってきませんでした。

自分たちの空手メソッドは独自性が強く、内輪で"生涯武道"という形でゆっくり楽しんでいければ良いというスタイルでした。そしてそれは今も変わりません。

ただ、2017年夏に「K-1KIDS CHALLENGE」という子供向けの企画を作りました。当時の高学年の子たちには、空手だけでなく他の物事にも、夢や希望を持てない子が少なくないと分かったからです。

そこで子供たちを誘って、何か大きな大会に出させてあげたいと思いました。もちろん、目指すは「No.1」です。しかも「日本一」です。

考慮した結果、空手ではなく、フルコン空手ルールを準用したK-1キッズのリーグを選ぶことにしました。(※今年4月からはキックルールに改定予定)

当時も名だたる名門空手道場やキックジムの選手がいましたが、外部大会で何の実績もない子たちが勝てるかどうか。正直指導者として自信はありました。

なぜか。
選手たちはほぼ"大会ビギナー"で、そして運動もそんなに得意ではなかったからです。

そして「K-1」というビッグネーム。
これが非常に大事でした。

だからこそ勝てる。

エントリーした当時、全日本予選まで2ヶ月。全日本まで4ヶ月。

結果から言いますと
トーナメントにエントリーした選手は
見事に全日本1位、3位を獲得しました。
(全日本トーナメントでは準決勝で同門対決)

外の1マッチのみのメンバーも、当時は勝率9割を誇りました。

この勝率の原動力となったのは何か?
ずばり「憧れのチカラ」です。

これは2018年2月3日(土)におこわれた「K-1 武尊選手 セミナー」の様子です。スーパースターの来場に大きく沸きました。(空手やらない御父兄も参加してくれるほどでした)

子供たちは2017年夏にK-1アマチュア・キッズ部門へのチャレンジを決めて、そして半年後にはその舞台で一番輝く憧れの選手に出会ったことになります。

そこからのK'S FESTA 3.28のスーパー・フェザー級トーナメント流れは最高でした。(武尊選手が決勝で小宮山工介選手を破りましたが、小宮山選手の空手仕込みの蹴りも最高でした)

子供たちがアマチュアとして身を置くリーグの延長線に、華々しいスター選手が活躍する舞台がある。

そしてそうしたスター選手に声をかけてもらい
いろいろな技を伝授してもらう機会があることは
子供にとってはとてつもなく大きな夢の時間です。

"百聞は一触に如かず"

これは武道の言葉ですが
子供が学びを得ることの原動力は
「本物との触れ合い」にあります。

自分自身は少年期にサッカーに没頭していて
いつもクラブチーム選手権で優勝を争っていた
読売クラブの少年チームが
ラモス瑠偉氏やジョージ与那城選手と戯れていた風景が羨ましかったです。

読売の子たちはプロたちに「遊び技」を伝授してもらいながら育っているのです。たとえ自分のチームが勝っても、サッカー技術が高く、サッカー世界を楽しんでいるのは彼らでした。

子供の思考まで管理されてしまう日本的なチームより
プロ選手に憧れて、自由に楽しんで技を磨いてトライ&エラーできる、そんなチーム環境に憧れたのはその頃です。

ちなみに、武尊選手セミナー以降には、卜部功也選手に「盾と矛」というテーマで全3回のセミナーをしていただきました。

卜部選手は"新生K-1"を全くよく知らなかった2017年当時、
子供たちと"先ずはK-1を見に行こう"と誘って行った
2017年11月23日さいたまスーパーアリーナ大会で、
卜部功也選手のPVでまず惹きつけられて
実際に試合を拝見して

"アンタッチャブル"という異名をもっていた
この素晴らしい選手を道場にお呼びしようと
その日のうちに決めました。(武尊選手の招聘は既に打診中でした)

前記事でも触れましたが、ディフェンスというのはマーシャルアーツの最高技術だと思っています。

子供はもちろん、大人も含めて、ディフェンス技術の習得なしに武道や格闘技というのは成立しえません。

そうした意味で、元々は子供時代に芦原空手をやっておられた卜部功也選手は、攻防におけるロジックをしっかりと確立していて、尚且つ人間的にも優しく大らかな素晴らしい指導者でした。

武尊選手と並び、いやそれ以上に子供たちの憧れの存在となってくれているのが卜部功也選手です。

※現在は祐天寺でALONZAというジムを経営されていて、引き続きお世話になっています。(ご興味のある方は是非!!)

今回のテーマに戻りますが、やはり子供たちにとっての一番のパワーの源は、憧れのスター選手の存在です。

その選手が人間的も素晴らしく、子供たちに夢を与えてくれることは、どんなモチベーションよりも強くて自然でオートマチックだと思います。

真面目な話、武道の指導者は「自分を最高」としてしまい、生徒をその枠の中に囲ってしまう危険な可能性がつきまといます。

そういう閉塞的なものをパッと捨てて、最良の学びの環境を作る。
こういうマネージメントに尽くすことが大切だと自分自身は心がけています。(もちろん自分自身が誰よりも学んでいるつもりで受講しています)

他には大橋ジムより大橋秀行会長や、世界三階級制覇の八重樫東チャンプ、現アジア&日本チャンピオン平岡アンディ選手、アマ二冠・日本ランカー桑原拓選手、総合格闘技レジェンド宇野薫選手にもお越しいただいています。
(ボクシングに関してはまた回を改めて書こうと思います)

それら全てのセミナーで、長期入院児童をアートの力で励ますNPO慈善活動「キッズアートプロジェクト」にも、募金や選手メッセージを寄せて協力させていただいています。

子供たちが憧れに触れることは本当に大切です。

それは一流の強さに多ただ近づくだけでなく、夢を叶えるための勤勉性や優しさ感謝の姿勢を、その道のプロから学ぶことです。

好評であれば、また3回目を書きたいと思います。


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