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「悟風の俳句(1月)」(通常号 第43号・2003年1月24日発行)
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---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
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-----------------------通常号 第43号・2003年 1月24日発行 ----
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☆今週は、1月第4週。1月の俳句を掲載します。
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(97年一月) 山口悟風
祈(ね)ぎ事も二つ三つあり初暦
いずくかに娘(こ)の幸(さち)秘そめ初暦
メモは先ず句会と記す初暦
着ぶくれて葉書一枚出しに行く
琴の音の冴えて大寒更けてゆく
又余白と知りつ丶自由日記買う
古日記読み返す刻冬ぬくし
冬ぬくし散歩の道を二度巡り
退職の書友の個展や冬暖し
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(98年一月) 山口悟風
母在りし日のま丶座蒲団冬籠
おい癌め 滋の日記と冬籠る
捨て難き古書に埋もれて冬籠
年越しは娘夫婦と清一色
点滴を終えてやおらに賀状書く
熱燗や余生まだまだ先のこと
大寒に新入りもいて初句会
大寒や仮設に未だ四万人
大寒や独活一品で新酒飲む
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☆来週は、1月第5週。「おかあさんへの手紙」の背景や、山口“悟風”智の作品などについて書きます。
☆このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆
今月中旬に帰省した際、貴重な資料を見つけました。父“悟風”智の自筆投句を集めたファイルです。1996年2月から、他界する2カ月前の98年7月までのものです。毎月、所属していた俳句の会に作品を提出するために、半紙に筆ペン書きしたものです。これまで、「おかあさんへの手紙」第4週は、父の日記に書いてあった俳句を掲載してきましたが、今回からは、このファイルを基にして紹介することにします。また、日記を読むだけでは、推論するしかなかった部分が、今回のファイル発見で確認できたり、修正しなければならない部分があるとも分かりました。第12号(2002年6月21日発行)
から毎月第4週発行分に掲載した悟風の俳句と、ファイルに残った作品を現在、照合しています。分析が間に合えば、来週(第5週)発行予定の次号で、お知らせしようと考えています。
さて、今回の作品は、97年の「いずくかに娘の幸秘そめ初暦」と、98年の「年越しは娘夫婦と清一色」でお分かりいただけるように、娘の結婚という、悟風にとっての大イベントをはさんでいます。また、98年の「おい癌め 滋の日記と冬籠る」「点滴を終えてやおらに賀状書く」にあるように、この間、闘病生活は続いていました。「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋闘病日記」(新潮社)は分厚い本で、読むのに骨が折れます。父が闘病中に読み切ったとは思えません。でも、同年代の作家が書いた闘病日記を拾い読みして、自分の状況と照らし合わせていたのでしょう。がんだということも、気付いていたのかもしれません。
(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「北海道の地図 市町村名入り」PJさん作成。
旧「風連町」は「平成の大合併」で、名寄市の南半分のあたりになりました。この地図は「イラストAC」https://www.ac-illust.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。
■「おことわり」
☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。また、リンクが切れたURLは、URLのみ載せ、リンクを外しています。一方、そのために説明不足になる部分は、2025年1月現在のリンク先を加えた部分もあります。(編集者・悟風のムスコ)