![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/126707891/rectangle_large_type_2_a4bec85e0b884380ed8c9057951b8e88.png?width=1200)
大洞窟のコウモリ考察
はじめに
イクサランが発売してからしばらく後 <大洞窟のコウモリ> がエスパーミッドレンジに採用され結果を出し始めた頃に使われたり使ってみて、このカードは現スタンダードにおいて最強のカードだ!と感じました。
スタンで一番強いデッキはコウモリを一番うまく使えるデッキだと思う
— やまげん (@yamagen0915_mtg) December 9, 2023
カフカさんにもこのカードは今年中に禁止されると言わせしめるほど。
以前のツイート引用ですが、少し期間を攻めて予言してみます。
— 山辺カフカ@MTGリミテッド (@yamabenokafka1) January 4, 2024
このカード、今年中にスタンで禁止になります。 https://t.co/JJzrTUAMss pic.twitter.com/9rLrcwtm4v
実際に最近の黒系デッキには必ずといっていいほどこのカードが採用されていますし、本当に禁止されない限りこのカードを中心にスタンダードのメタゲームが動くと思われるカードです。
この記事ではコウモリの実態と今後どのようにメタゲームが動いていくかを考察したいと思います。
<大洞窟のコウモリ> の使用率
まずこのカードの実際の使用率について MTGGoldFish のカード使用率のページ を参照すると 37% のデッキに採用されており、クリーチャーではあの <黙示録、シェオルドレッド> に次ぐ 2 位の使用率となっています。
(2024/1/4 現在)
また平均投入枚数は 3.9 枚であり、こちらも考慮するともはやシェオルを超えて使われているカードと言っても過言ではなさそうです。
この使用率だけを見れば現在禁止されている絶望将来の 43% に迫りかつ汎用性も高いため、公式が「よほどのことが無い限り禁止改定は毎年秋にのみ行う」としている秋のタイミングで禁止されてもおかしくはないのかなと思います。
(よほどでもないのに禁止するカードがどういうカードなのかわからないためなんとも言えませんが。)
![](https://assets.st-note.com/img/1704362547338-14HN8Ju2mP.png?width=1200)
採用されているデッキを詳しく見ると上位 10 デッキ中 4 デッキが <大洞窟のコウモリ> を採用しており、どの色の組み合わせが最も <大洞窟のコウモリ> をうまく使えるかしのぎを削っている状態といえます。
またこれらのデッキを「コウモリデッキ」としてみればトップメタである版図ランプの 22.9% を大きく上回る使用率になります。
Rakdos Midrange 14.9%
Esper Midrange 12.8%
Golgari Midrange 5.9%
Dimir Midrange 3.3%
(Orzhov Midrange 1.6%)
このデッキのみコウモリを採用していない型も存在している
![](https://assets.st-note.com/img/1704362679096-DoBPiqWE2F.png?width=1200)
<大洞窟のコウモリ> と相性の良いカード
各色のデッキを掘り下げる前に、共通して採用されている <大洞窟のコウモリ> と相性の良いカードたちを見ていきます。
<ヨーグモスの法務官、ギックス>
![](https://assets.st-note.com/img/1704369396343-Fd04TCHkfw.png)
コウモリと合わせるならこれ!と言わんばかりに一緒に採用され使用率を伸ばしているのがこのカードです。
2t コウモリ -> 3t ギックスとマナカーブ通りに展開するだけで、相手の手札を奪いつつライフ損失なしに継続的にドローができ、色も同じ黒なためほとんどのコウモリデッキに一緒に採用されています。
<地底のスクーナー船>
![](https://assets.st-note.com/img/1704369530780-QeUJcqvJdU.png)
コウモリに搭乗要員としての役割を与え、かつ探検によるサイズアップもできるカード。
高いスタッツによりアタックを通しやすいため前述のギックスとも相性が良いです。
<策謀の予見者、ラフィーン>
![](https://assets.st-note.com/img/1704369792097-PHdiqGZtNc.png)
コウモリを大きくサイズアップできるため、対アグロに対する相性は最も良いカードです。
各色の特徴
エスパー(青黒白)
コウモリ活用度 : ★★★★☆
もっとも最初にコウモリを使って結果を出したカラーであり、ラフィーンとの相性は最高といえます。
ただし 3 色デッキ故のマナベースの問題により低マナ域のクリーチャーが採用しづらく前述したギックスとスクーナー船を活かしづらいことが課題という印象です。
ディミーア(青黒)
コウモリ活用度 : ★★★★★
最近 Mogged さんが Standard Qualifier で優勝したことで話題になったカラーで、2 色でまとめることで前述のギックス、スクーナー船を活かすために必要な <遠眼鏡のセイレーン>や<フェアリーの黒幕> など低マナ域のクリーチャーを多く採用できることが強みです。
個人的に青黒が 2 色にまとめる理由がはっきりしていて、かつデッキ全体のシナジーも強く最も推しているカラーです。
![](https://assets.st-note.com/img/1704441173289-GcDj6fzXUV.png)
ゴルガリ(黒緑)
コウモリ活用度 : ★★☆☆☆
前環境から存在しているデッキに新しくコウモリを追加した形です。
まれに <名もなき都市の歩哨> が採用されているケースがあり、その場合はかろうじてコウモリのサイズアップができますが、それ以外では特にコウモリとのシナジーはなく、カード単体の強さで戦っているデッキという印象です。
![](https://assets.st-note.com/img/1704441130824-oJAYjd620G.png)
ラクドス(赤黒)
コウモリ活用度 : ★☆☆☆☆
直近で最も結果を出しており、コウモリデッキの中で使用率も高いカラーです。
コウモリ活用度としてはゴルガリと同じく、クリーチャーの強化手段があるわけでもなく、ギックス以外に相性のいいカードがあるわけではありませんが、赤と組み合わせている最大の理由である <地質鑑定士>と <嘶くカルノサウルス>の発見がシンプルに強いという印象です。
また <税血の収穫者> が先手で相手のコウモリよりも先に置いておける除去という点や、発見のカード・アドバンテージ、テンポ・アドバンテージがコウモリデッキに刺さるため、コウモリデッキミラーで強いデッキという印象です。
![](https://assets.st-note.com/img/1704441055429-3aSR2Vwpqp.png)
結論
個人的には「スタンで一番強いデッキはコウモリを一番うまく使ったデッキ」でありシナジーの強いディミーアを推していましたが、結果として「コウモリをある程度うまく使いつつ、コウモリミラーに強いデッキ」が現在のスタンダードのメタのようです。
またコウモリデッキが最多ではあるものの、青白ファクト、毒性等々のローグデッキも多く環境としては多様性があり、今後もコウモリデッキに強いデッキが台頭してくる可能性はあるのかなというところで締めさせていただきます。
読んでいただきありがとうございました。