おしゃれパン屋の値札、黒がち
台風の影響ということで夏休みが一日増えたものの、結局全然いい天気で、本当に行かなくていいんだろうかとそわそわして仕方ない。そしてむしろ明日が雨らしく、最初の挨拶は「間が悪くてすみません」だな……と思った。
やり残したことやって締めくくるか、ということで、お高いパン屋さんでランチ・公営プールでガチ泳ぎの二本立てでいくことに。パン屋さんの初めて食べたパンがめちゃくちゃおいしくて、この店は当たりしかないのかもしれなかった。
普通のことを言うと、2時間って長いし、水泳っていい運動だった。9年振りとかかもしれなくても人間はそれなりに泳げるものらしい。最後にもう1往復、とやっていたら2時間券に対していい時間になってしまったけれど、着替えて慌てて出たら退場時刻がまさに2時間ぴったりで、ちょっと怖かった。
小学生に紛れてアイスを買って帰った。新学期だからいないかと思っていたけど、始業式だから帰りは早いか。子供はともかく大人の皆さんも平日の昼間でも結構いて、これからも時々ここに加わる人生のほうが、なんか、長生きしそうな気はする。
更衣室が綺麗になったことを除けば、プールは習い事で来ていた当時とほとんど変わっていなくて、あの頃は水の中を泳ぐように町の中を飛ぶ夢をよく見たな、と思った。空気を掻き分ける感覚が、地面から浮き上がる感覚が、まるで本当に地上を飛んでいたかのように明確に記憶に残っている。アイスが食べられること以外しんどいことばかりだったはずのスイミングスクールだったのに、泳ぐこと自体は嫌いにならなかったのには、そうして飛べたことが理由の一つとしてあった、のかもしれない。
めちゃめちゃに剥がれた爪を直してから、雑貨屋に行っていろいろ買った。とにかくお金を使った夏休みだったけれど、自分へのご褒美なんてなんぼあってもいいですからね。
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