企業分析:アクシスコンサルティング
コンサルティングファームを中心にキャリア支援を行うアクシスコンサルティングの分析です。こちらも主力銘柄の一角。
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企業概要
証券コード9344
2023年3月28日グロース市場上場、公募価格1950円、初値3030円
コンサルティング会社を中心としたハイクラス人材紹介と、スキルシェア事業を行う
事業内容
人材紹介事業
コンサルティングファーム向けへの人材紹介と、事業会社向けにCxOなどのエグゼクティブ人材紹介。
Big4と呼ばれる大手コンサル(PwCやデロイトなど)在籍のコンサルタント4人に1人が登録しており、コンサル人材紹介では業界トップ。将来的に2人に1人の登録を目指しています。
スキルシェア事業
フリーランスのコンサルタントと企業を結び付けるフリーコンサルBiz。
まだ非常に小規模だが1時間~相談などができるコンパスシェアサービスも。
各種指標
時価総額:55億円
株価:1109円
自己資本比率:79.2%
PER:11.2倍
PBR:1.86倍
ROE:16.5%
※指標は今期業績予想ベースによる
社長及び社長の資産管理会社が65%の株を保有
同業他社はハイクラス転職では
ビジョナル(PER25.1)、JACリクルートメント(PER16.7)
スキルシェアでは
INTLOOP(PER19.9)、ビザスク(PER256.7)
他社と比較してもアクシスコンサルはあまりにも割安だといえます。
また実質無借金経営で、現金を27億円保有しています。
時価総額に有利子負債を足し、現金を引くことで算出できるEV(企業価値)は27億円。EV/EBITDAは3.4倍。この会社を現在の時価総額で買収すると3.4年ですべて回収できるということになります。どんだけー。
業績
右肩上がりで勢いよく成長しています。4年間の年平均成長率は売上28%、営業利益37%と超優秀ですが、24年6月期は鈍化しており、売上のみ下方修正がありました。上場後人気化しすぎたことと、業績鈍化が株価下落の原因です。
鈍化の主な要因は二つ。
一つはコンサル人材紹介。将来の転職需要も見据えて23年6月期から若手層の採用にも力を入れ始めましたが、コンサルファームの採用抑制により若手入社数が減少。また若手は年収が少ないため平均売り上げ単価が下がりました。
今度は逆にマネージャー以上の数が足りなくなりマネージャー以上の対応へ力を入れましたが、転職には数か月がかかるため効果発現が遅れています。
が、25年6月期に向けて増加していく見込みです。
もう一つはスキルシェア事業の低迷。全然伸びていません、というよりむしろ悪化している印象。
顧客フォロー体制を改善し、Q4はさらに増加を見込むということで、再び成長軌道に乗るかもしれません。
事業ごとの構成比を見ていきます。
売上額は 人材紹介2:スキルシェア1 の割合ですが上記の通り粗利率が全く違います。
利益の大部分を稼ぐ人材紹介事業が業績に大きな影響を与えます。
株主還元
上場から1年少ししか経っていないため、株主還元の発表はまだありません。
還元はしっかりと基盤を整えてから行う(IR担当者談)ということですが、現金滅茶苦茶持っているので次の通期決算で発表があってもおかしくない。後述するストックオプションの行使が25年12月以降のため、遅くとも25年8月の本決算までに還元発表があるのではないでしょうか。
※これは完全に希望含めた妄想です
その他ポイント
ストックオプション
23年11月にストックオプション(新株予約権)発行の適時開示。
行使された場合の希薄化は0.5%。25年12月以降行使可能です。
また新株予約権の行使価格は1285円。現時点での価格が1109円なので、株価がこのままの場合、行使すると損します。なんとか上げてくるでしょう。
新成長戦略
24年5月に新成長戦略の発表がありました。8月本決算で詳細説明予定です。
新たな施策として
①自社社員とフリーランスによるハイブリッドコンサルティング
②会員向けポータル開発とサービスの充実
が挙げられています。M&Aやアライアンスも言及されており、有り余る現金の活用方法が気になるところ。
具体的な数値計画は8月発表となります。楽しみですね。
チャート・需給チェック
チャート
23年3月の上場以来、そもそもほとんど25日移動平均線を上回ることすらありませんでしたが初めてのパーフェクトオーダーが発生。このまま1100円以上で値固めできるでしょうか。
上場後すぐに高値4475円を記録、そのまま右肩下がりで現在株価は4分の1に。公募価格1950円と比較しても半分近くの下落。地獄です。
需給
上場後の信用買い残は16万株~30万株代をウロウロしています。急落のたびに増え、少しづつ減る形を繰り返しています。現在の買い残は22万株。
アクシスコンサル最大の問題は出来高。平均で1日2万株ほど、出来高0の日もありました。出来高に対しての買い残は非常に多いです。
板もスカスカで、100株購入されただけで2%上昇することも珍しくありません。
コメント
リスクは上記の出来高の問題と、人材業界特有の顧客リスクです。
出来高が少ないことについては、業績向上が認められ人気化すれば問題解消できると判断していますが、現時点では1000株程度のまとまった買いや売りでも大きく変動する形。投資する場合は念頭においてください。
人材業界特有の顧客リスクは、短期では顧客の需要に左右されるという点です。とはいえコンサル市場は今後も伸び続けると予測されており、長い目で見ればそれにともなった人材需要もあると考えられます。
私の現在の平均取得額は1046円。
まずは公募価格1950円復帰を目指して、伸びて行ってほしいですね!
おわりに
このnoteは自分の投資力向上のために作成している100%混じりっけなしのポジショントークです。
一部をスイングしたり、売却したりすることもあります。
会社資料、IR問い合わせ、社長出演動画のチェックなど、極力1次情報を基に記載していますが正確性や予測は保証できません。間違いがあればご指摘ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございますっ!