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博物館資料保存論 レポート(設問形式)⑬

【問】材料調査法のうち「サンプリング(試料採取)調査法」について簡潔に紹介せよ。

私の書いた回答はこちらです↓↓

最小限ではあるが資料の破壊を伴う調査法がサンプリング(資料採取)調査法である。サンプリングした資料分析に広く用いられるのが電子顕微鏡であるが、そのなかでも特に走査型電子顕微鏡(SEM)とそれに付属する分析装置(電子線源、試料室など)がよく用いられる。この方法では資料に照射された電子エネルギーより二次電子を操作位置に同期させて像を得るがこの像のことを二次電子像(SEM像)と呼んでいる。   二次電子と同時に発生するX線により元素や組織を分析するEDSもよく用いられる。EDSでは電子線を用いるので電子電動を有する資料でないと測定はできない。セラミックスや紙などの電子電動を有さない有機材料の観察や分析には炭素や金などの導電性材料被膜を試料表面に形成する、あるいは資料室の真空度を低下させての測定などの工夫を要す。
 電子顕微鏡(TES)と呼ばれる装置を用いた手法もある。この方法では電子線を資料中に透過させて得られる像を観察する電子顕微鏡を用いるが、電子線が透過出来る厚さにまで資料を加工する必要があり、熟練技術を要することとなる。最近は数十ミクロンの資料採取を可能にする装置も導入され博物館資料などの研究で広く使われるようになってきた。
 他に油彩画の媒体(メディウム)の分析にはガスクロマトグラフ⁻質量分析計(GC-MS)が有用とされ、染料の分析には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が広く用いられる。

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