博物館資料保存論 レポート(設問形式)⑥
【問】以下の室内汚染物質の測定手法について簡潔に説明せよ
(変色試験法(簡便法)・パッシブインジケーター法(簡便法)・ガス検知管法(簡便法)・精密法
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1.変色試験紙法(簡便法)
室内及び展示ケース内の環境が酸性かアルカリ性に偏っていないかを確認するための方法。数種のPH指示薬をグリセリンで溶かした 試験液に濾紙を浸し余分な液を除去した後に室内に一昼夜放置して実施する。PH(ピーエイチまたはペーハー) の記号で表現するが汚染物質の判別はできないため判定結果を評価するには難しさがある。
2.パッシブインジケーター法(簡便法)
文化財施設での使用を前提に作られ、アンモニア用と有機酸用の2種類がある。粒上の検知剤がおのおのアンモニアと有機酸に反応し、色の変化により有害物質の有無が確認できる。汚染物質濃度が高いほど色の変化が速く、全て変色した場合清浄化の対策が必要とされる。測定結果が得られるまでに時間がかかるが精密な測定が出来る。
3.ガス検知管法(簡便法)
文化財施設用としてアンモニア用と有機酸用の2タイプのガス検知管がある。ガラス管に検知剤を詰め込み専用のポンプを用いて一時間程度一定の空気量を館内に送りこんで変色した部分の長さから濃度を読み取る。
アンモニアや有機酸以外にも反応するガス検知管も市販されておりシックハウスの問題となるホルムアルデヒドを測定できるものもある。
4.精密法
空気中のアンモニア・酢酸・ギ酸濃度を測定できる。試料空気を補修し、分析室に持ち帰り溶けた空気中のイオン成分を化学分析または機器分析する。