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博物館資料保存論 レポート(設問形式)⑭

【問】資料の構造調査(三次元的材質調査法)について簡潔に紹介せよ。

私の書いた回答はこちらです↓↓

 博物館資料の構造調査は骨格構造調査だけを指していると思われがちではあるが、資料保存のための表面腐食層の解析などの調査も行われているこの資料の構造調査を三次元的材質調査法と呼ぶ。
 例を挙げると、油彩画における重ね塗り技法では色彩の異なった絵の具の重層化により混色では得られない固有の色彩効果を得ることが出来る。金属工芸の着色技法として広く用いられている煮色着色法(煮込み着色法)や色揚げ技法でも同様である。
 表面処理による金属の着色(あるいは発色)機構の解明には着色層の三次元的な微細構造の解析が有用である。この方法ではX線透過写真やX線コンピュータートモグラフィー(CT像)などを用いる。江戸時代の十手の鉤の接合部の構造解析をX線透過写真で行うことや、古代中国の貨幣では最初にEDU分析により金と銅が同定され、さらには加速電圧により貨幣の厚さを求めることが出来たが金合金の構造部分の構造までは調査が難しいためX線CT像を撮影し、任意の角度で切った断面を非破壊で観察した。
 このほか、油彩画から採取した資料を断面が出るように樹脂で包埋志向が首最強やSEM観察する方法もある。この手法は油彩画資料に限ることはなく、日本画・彫刻作品・建造物などの彩色材料をはじめ、繊維断面の観察など適用範囲は広い。

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