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暑い季節になってきました。ふと見ると棺から水滴が!それって・・・


最近暑い日が続くようになり、だんだんと夏の気配が近づいていますね。

そんな日が多くなってくると、葬儀の現場ではお客様からある質問が増えてくるようになります。

それは

「棺から水滴が落ちてきてる!!ドライアイスが溶けて水がでてきてるんじゃないの!?」

というものです。

今回はこの棺からでる水滴の正体について解説していこうと思います。


最初にもう結論を言ってしまうと

この水滴はではありますが、ドライアイスが溶けたものではないです。
以下解説です。


遺体保全のためにおそらくほとんどの葬儀社ではドライアイスを利用していると思います。そのドライアイスが溶けてきて棺の内部から水が漏れだしてきているんじゃないかと心配するお客様が多いのですが、そもそもドライアイスが溶けて水がでるということはありません。

なぜならドライアイスの昇華温度は −78.5℃

つまりは-78.5℃以上であれば液体にはならずに気体となってしまうからです。


葬儀の現場だけではなく、保冷用途で氷ではなくドライアイスを用いているのは、この特性を用いたほうが液体の処理に困らないため氷より扱いが容易であるためです。

しかしそれではなぜ棺から水滴がでてくるのでしょうか?

これは簡単にいってしまうと、結露と同じ原理です。


納棺後の棺内部はドライアイスにより温度が下がります。それにより棺自体もドライアイスの冷気により温度が下がります。そこに湿度を多く含んだ暖かく湿った空気が触れてしまうと、飽和水蒸気量が下がり、水となって付着してしまいます。

つまり水滴は棺内部からではなく棺の外部からでていたんですね。

これに対処するために、棺をご安置している部屋にはエアコンを入れることをお勧めしています。除湿、気温を下げる、これらのことを行うことで抑えることができます。


まあそれでも多少はついちゃうんですけどね(´・ω・`)


なので、キチンとした葬儀屋さんはお客様が不安にならないように棺のケアをしてたり、棺敷といって床や畳をぬらさないように敷物をしいています。

とはいえ、ただでさえ非日常的な葬儀という場でとまどっているお客様に、この質問をされないくらいケアしていくことが担当者は大切なんだと思いますけどねー。日々精進です。


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