あの時のあれはもしかしてあれだったのか?
仲の良かったZ。
うちで泊まって一緒にスーファミ(スーパーファミコン)をやった。親にばれないよう、録画していた「ごっつええ感じ」を一緒に観た。
そんなこんなで、Zといるのは楽しかったし心地が良かった。
中学では同じ運動部だった。中3の引退まで一緒に頑張った。
高校は別々だった。Zと会う機会は自然と減った。
高校生の時
ある夕方だったか、私が帰宅して母が言った。
「Zくん来たで。」
ーえ、そうなん?何しに来たん?
「(山田)まだ帰ってないよーって言ったけど、なんか『大丈夫です、忘れ物したから山田くんの部屋に入ってもいいですか?』って」
ー忘れもんて何よ?
「分からんねん、ほんでどうぞーって上がってもらったよ。そのあと『見つかりました、ありがとうございます』ってすぐ帰ったわ。入ってもらわんほうが良かった…?」
息子本人が不在の部屋に、母も平然と通すぐらいの友だち、信頼関係だった。
忘れ物って。
前にZが私の部屋に来たのはいつだったか、覚えていないぐらい前のことだ。忘れ物なんてあったのか?なぜ今取りに来る?
Zが来て帰ったあと、自分の貯金箱の千円札が減っていた。
(ように感じた)
Zとは以来、一度も会ってない(機会がない)。
自分の部屋のお金が減っていたというのは、私の勘違いなのか、
それとも…
真相は藪の中に消え去った、20年以上前の出来事。