ランドセルに水ジャー
小学校の時は児童数が少なく、1学年1クラス。皆6年間クラス替えがない。同じ仲間というのは良くもあり悪くもある。いじめやからかいが生まれやすい環境という点では凄く悪い。
2つ上にAがいた。線が細いのに荒くれ者だった。ジャイアンみたいなタイプではない。独りでは何もできない卑怯者だったと、僕のスカウターはそう言っている。
登下校は約2.5kmの通学路。朝は集団登校、下校は各自で自由に帰ることになっていた。
雨の日、Aは取り巻きを連れてダラダラ遊びながら帰っていた。
雨が小降りか小康状態で、それが始まった。
僕はAたちの後ろから1人でせっせと帰ってたので、当然Aの集団に追い付く。
僕は抜かそうとする。
どういうやり取りがあってどういう経緯だったか、記憶に無いので割愛。
諸々あって、
僕はランドセルに水をかけられた。
ジャーーー
車道脇の歩道の縁石下、排水口の詰まりに溜まった巨大な水溜まり。Aは自分のか取り巻きの誰かのか、開いた黄色い傘を逆さにして泥水を水溜まりからすくう。
いっぱい溜まった泥水を、僕が背負ったままのランドセルに上から
ジャーーーー
状況や経緯は割愛せざるを得ないぐらい全然覚えてないけど、傘で水をかけられたこととAがとんでもなく憎たらしかったことだけが、鮮明に焼き付いている。