平場の会話で自分のターン来ても何も言わない
数人の会話の場にたまたま居合わせた。
昼休みのロッカールーム。
僕がロッカールームに入ったら、中で後輩4人がしゃべっている。
楽しそうにしてるやんけ。
僕は会話を耳に入れながら、でも会話には入らず、彼らを横目に着替えを続ける。20代の後輩たちのふざけ方は、大学生や高校生とあまり変わらない。
2人がふざけ、横のもう1人が
「中山さん引いてるやんけ」と。
横のもう1人は僕にはっきりと直接話しかけたではなく、
でもたまたまその場に居合わせた"先輩"へ、「無視してないですよ」の気遣いと、もしあわよくば良い返しをしてくれたらそれはそれで有難いですよ、
のパス。
そんなパスを出してきた。
そんな時、
「いや引いてへんわ!」
いやおかしいおかしい。
「引いてへんわ」
いや語尾の強さの問題じゃない。むしろちょっと引いてることは確かやから「引いてへん」というチョイスがおかしい。
「楽しそうやなー!」
何かいけそうやけど、会話の内容に関係なく何でもいけてまう。話聞いてへん奴と思われる。おかしい。
「別に引いてへんけど」
べつにつっこみとちゃうから、仮にうけようがうけまいがすべることはない。ただパスを出してきた後輩の期待には応えてない。結局すべる。
何にせよすべることが0.5秒ぐらいで分かった僕は、
「中山さん引いてるやんけ」の台詞を宙に浮かせたまま、
そこにいないことにして、何も言わずにやり過ごした。