喧嘩しながら同意するのは難しい
口ゲンカしてる途中から、どうやら相手に分がありそうだと気付く。
今さら引けない…
今さら引くに引けない。
僕も決して悪くはなかったはず。
開始当初は五分五分だったはずだ。
どこでこんな形勢になった?
なぜか分からないけど、知らぬ間に相手に流れが傾いていたようだ。
途中までは僕も威勢よくまくし立てていたはずだけど、
あれ…?
これ、向こうが正しい…?
向こうが正しい…
向こうが正しい。
向こうが正しいと気付いてからもケンカは続く。
口先ではケンカを続けながら、どうやって同意に持っていこうかと頭では策を巡らせる。
同意の着地をイメージしながら口では逆のことを言い続けるので、どんどん口先の威勢が弱くなっていく。威勢は弱くなっていくけど、まだケンカというスタンスを取っている。
いきなり同意する前に、まずケンカを終えなければいけない。同意はそれからだ。
ケンカはもうやめよう。
ケンカ、ダメ。