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今日も今日とて「いい天気やね」

今日も言う、「いい天気やね」。
人類の世間話の第一選択肢だ。


「今年の夏は暑かったね」
僕には引っ掛かって仕方ない。靴下履く時に小趾の爪がささくれているぐらい引っ掛かって仕方ない。

毎年言ってる。毎年「今年の夏は暑かったね」と言っている。去年のことを覚えてないのか?「今年の夏は」と言いたいなら、去年の方があまり暑くなかった場合しか成り立たない。「今年の夏」を強調したいなら今年が特に暑くないと駄目なんだ。

でも夏は毎年暑いんだ。少なくともここ数年はずっとめっちゃ暑いんだ。冷夏が10年続いた後、11年目の夏が特に暑くなったなら「今年の夏は」で問題ない。でも数年ずっと暑い。忘れたのか去年の暑さを?いやいやここ数年の感覚は残っているはずだ。忘れたとは言わせない「今年の夏は暑かったね」去年も言っていたことを。喉元過ぎて暑さ(熱さ)忘れたのか?忘れさせるもんかちゃんとテープ回して残してるぞ。「今年の夏は暑かったね」聴こえるか?去年の君の声だ。

「今年の夏も暑かったね」
初めからそう言ってたらこんな揚げ足取りすることはなかった。

夏がどうとか気温がどうとか、世間話に味付けは要らない。

「いい天気やね」
これでいい。


「そうですね」

それ以上広がることはない代わりに、去年までがどうだったかも気にしなくていい。