駐車場で行き詰まる夢
昨夜見た夢を書く。
「駐車遅なってごめん」
朝6時前、夢と現の狭間で僕は妻に謝った。
「なにが?」
僕は夢の中の出来事だともう分かってたけど、そのまま続けた。
「行ったり来たりしてごめん」
「なにを?」
「スーパーの屋上」
「は?」
僕はワゴンR、妻はNOTE。2台でスーパーに来た。スーパー屋上の駐車場が満車で、古いから整備が行き届かず、通路が対向できる幅になっていない。
生憎の小雨だ。
「軽」用のスペースに、ATENZAとかLEVORGとか先の尖ったホイールベースの長い車ばかりが無理やり駐車されてる。
(みんな終わってんな)
文句を言いながら、ATENZAの鼻先に擦らないようそろそろと通路を進む。僕の後ろは妻のNOTE、その後ろはよその車が2台ばかり追従。
実質一通だ。このまま行けるのか?
整備の行き届かない古い駐車場は、奥まで進んでも出口がない。Uターンして同じ道を戻るしかないのにUターンスペースがない。やはり整備の行き届かない古い駐車場はどこまでいっても整備の行き届かない古い駐車場だな。どこかのタイミングで、整備が行き届く新しい駐車場に切り替わることはないのだ。
小雨が降り続く。
(どうすんねん)
奥まで来て、車でミチミチに詰まった古い駐車場に数台の空きが残っていた。
僕の進む通路からT字路を左折した、突き当たりの3台分だ。一番停めにくい奥の壁際だけご丁寧に空けられている。
頭から左折しようか?
それとも一旦直進で通過してバックでT字路に入ろうか?
僕はT字路に入らず、T字路の前で進んではバックしてと逡巡する。
後ろの妻とよその2台はどうにも動けず、傍目には意味不明な僕の行動をただ見守るしかない。
だから僕は妻に謝った。
「駐車遅なってごめん」
「だからなにが?」