実家のせんたく洗剤
実家シリーズ
今日は「せんたく洗剤」。
せんたく洗剤は何を使うか?
粉末派や液体派、キューブ派など、せんたく洗剤の形状が何であれ
柔軟剤を併用することと思う。
中には「柔軟剤入り洗剤」を使うから柔軟剤を別枠で使わないケースや、
「香りが苦手」「余計なものを入れたくない」などの理由でそもそも柔軟剤を使わないケースがある。
僕の実家は、柔軟剤を使わないケースでも後者の方。
そもそも柔軟剤を使わないケース。
コープさん(共同購入)で食材・日用品を購入していた実家のせんたく洗剤は、粉せっけんを使っていた。
大手有名企業のメジャー商品でなく、
コープさんの粉せっけん。
そしてそもそも柔軟剤を使わない。
柔軟剤を使わずにコープさんの粉せっけんを使い、
燦燦のお日様の下に干して乾かすと、
タオルはパリパリになる。
エクスキューズしておくと、僕はコープさんが大好きだ。
コープさんの粉せっけんのクオリティを信頼している。そして今の商品を僕は知らない。20年以上前の話であることを付記しておきたい。
その上で当時の使用感を表現させてもらうと
柔軟剤なしでコープさんの粉せっけんを使うと、タオルはパリパリになる。たまに、乾いてから溶けずに残っていることに気付く。
これは悪口ではない。
コープさんは当時はそもそも消費者の物欲・消費欲に迎合しないスタイルだったと解釈している。自然派なのだ。
その上で「しっかり汚れを落として環境にやさしい」ことがモットーだった(はずだ)。
僕の実家はそのコープさんスタイルに全乗っかりしていた。
その結果、タオルはパリパリになったのだ。
汚れがしっかり落とされてしっかりと日光消毒が施されたフェイスタオルはパリパリであり、
畳むと折り目がしっかりつけられて畳みやすい。
悪口ではない。
コープさんスタイルと僕の実家のスタイルのコラボだったと、
今振り返ってみて感慨深く思う。
高校のとき、
部活後に友達同士でギャッツビーなどの洗顔フォームで洗顔するのが、僕の周囲ではトレンドだった。
汗と皮脂を洗い流し、第2次性徴期のニキビを撃退する。
おしゃれに必死だった。
ちなみに洗顔フォームはコープさん商品ではなく大手企業の商品だ。そこは譲れない。
陸上部だった僕は、サッカー部や野球部、バスケ部の友達と連れ立って、
夕暮れに運動場の端の水道で
荒々しくバシャバシャと洗い流す。爽快な時間だ。
そして洗顔後、蛇口の上に置いた自分のお気に入りの洗いざらしのスポーツタオルを手に取り、荒々しく顔に当てる。
硬くて痛い。
悪口ではない。
硬くて痛いお気に入りの洗いざらしのスポーツタオルでゴシゴシと顔を拭きまくる。
とてもしっかり拭けた感じがする。吸水力が抜群だからだ。
一方、横のバスケ部の友達のほうからほのかにいい香りがする。
タオルからいい香りがしている。
そんな香り、あり得ない。
柔軟剤文化がなく、そもそも香りのない、合成洗剤ではない、実家の自然派のコープさんの粉せっけんでは、そんな香り、あり得ないのだ。
僕は柔軟剤の香り文化を知らずにバスケ部の友達のタオルの香りを体感した。
そして柔らかかった。
見たところ、折り目がついてない。ふわふわしている。
柔軟剤の定番 ファーファやソフランなど、CMでは見こそすれ、
そのネーミングの由来を実体験として初めて理解した感じがした。
タオルってこんな香りと柔らかさが保てるもんなんか。
合成洗剤の脅威だ。
その日から。
粉せっけんでもいいから
せめて柔軟剤を使ってくれないかと母に頼んだ。
大手の柔軟剤じゃなくていい、コープさんの柔軟剤でもいいから
柔軟剤を使ってください。
―そう母に頼んで、
僕のお気に入りのスポーツタオルは香りこそつかないものの、
徐々に柔らかさを取り戻していった。
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